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2011年5月23日

復興に歩み出す

先週の18日水曜日、社団法人日本花き卸売市場協会の第52回通常総会が愛知県犬山市で行われた。東北からは福島花きさんにも出席いただき、元気な顔を見せていただいて我々もホッとした。そしてその引き締まった顔から決意のほどを感じた。

21日土曜日の日経新聞の朝刊に、都内のホテルの4月の客室稼働率の記事が載っていたが、国内の一流ホテルでも40%を切り、推測はしていたものの経営の大変さを思うとぞっとした。どうやら努力をすれば損益分岐点を上回るかもしれないと私自身が現場で思うようになったのは、ゴールデンウィークの直前からである。昨日の日曜日も午後から雨との予報だったが、お昼までは良い天気で、ホテルにも繁華街にも人が良く出ていた。ようやく戻りつつあるが、割安やセールじゃないと気持ちも財布も緩めないようである。

21日土曜日、政府の復興構想会議が行われた。財源をどうするかで話し合われたのだが、私見では消費税しかあるまいと考えている。ただ政治がポピュリズムに走って、復興財源の目的税化としては良いのだが、復興財源を確保できた後にも今後は福祉目的などと言い出さないようにさせなければならない。高齢化社会とは年寄りが多いわけだから、年寄りも自らが税負担をし、重すぎる若者の税負担を軽減させていかなければならない。また国際競争をしている企業の税負担も国際水準レベルまで引き下げるべきであろう。日本は消費税の導入につき、もう一度税の公平性の概念から税制改革をこの期に行うべきである。花の付加価値税はヨーロッパでは15~20%のところが多い。それでも普通に消費されているのは、それぞれの国民は税についてよく説明を聞き、判断をしたからである。国によっては将来の国民生活のために、内閣を投げ打って財政再建に備えたところもあった。私自身は現内閣にそれを期待している。

もう一つ、昨日卸売市場としてすばらしい活動だと思われた事業があった。それは築地市場で「市場まつり」ならぬ水産、野菜・果物の安全PR特売イベントが行われたことである。日曜日の休市を利用し、都民に築地市場が日ごろ取り扱っている被災地域の海産物、農産物を、安全安心をPRしながら販売した。産地から来てもらい、卸、仲卸が一緒になって、科学データに基づいた安全性をPRすることによって風評被害をまぬがれる。本来市場がやるべきことを築地は先頭になって行った。風評被害をなくすため、なんとなく触らぬ神に祟りなしで敬遠してしまうことを阻止するため、プロの我々が見立て、そして「科学的にも安全が証明された魚や野菜、果物は絶対大丈夫」、これを消費者に強く訴えるのは築地市場の開設者である地方自治体と卸、仲卸の役目である。この運動が早く日本中の卸売市場に広まってもらいたい。

投稿者 磯村信夫 : 2011年5月23日 00:00

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