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2011年6月 6日

震災で結婚しだした?

いよいよ蒸し蒸ししてきた。暑くなると大田市場花き部の節電目標昨年比15%マイナスが気になるところ。節電でセリ場上の中央通路の電気も消し、定温庫の空調も荷物を入れる1時間前から入れ始めるようにし、20度未満を保てるのなら消すという作業をしている。開設者の東京都からは、「花き部は順調に節電15%マイナスをしているので、夏場も今の行動を続けてくれれば大丈夫です」と言われている。この調子で少し暑いががんばってやっていくということになる。

このたびの大震災で、葬儀は遺族だけの都合で直葬するといった葬儀が少なくなっているそうだ。つながりを大切にするようになって、普通の葬儀をする。供花もローコストにするために芳名板でやりますというところもあるが、芳名版で済ませていた葬儀社も元に戻って篭花を出すところが一般的になってきた。省略した葬儀が行くところまで行って、揺り戻しの形で良識あるものになりつつあると思う。
結婚式も同様で、震災の影響からかとにかく結婚する人が多いそうだ。昨日はお台場で定点観測したが、中国人や韓国人の旅行者は少ないが、日本の人たちはほとんど元に戻ったと言って差し支えない。そして先ほど言ったように、増えたのが結婚式だ。お台場の日航ホテルは東京では1位2位を争う人気の場所だし、アクアシティにあるレストランウェディングの場所も大人気だ。昨日も結構繁盛しており、結婚して婚姻届を出すだけの人もいれば、きちんと式を挙げる人もいる。とにかく震災の影響か急に結婚しだしたのである。ゴールデンウィーク前までのアバランチェ(白バラ)の安値は終わり、ようやく需給バランスが取れるようになったと昨日お台場を散策していて実感した。

話題として聞いてください。結婚式を仏教式で挙げる人はあまり多くない。しかし花の仕事をしている我々にとって、仏教の結婚式はなかなかすばらしいものだ。新郎が5本の花を仏様に供え、新婦が2本の花を仏様に供えて、夫婦であることを誓い、仏様から祝福してもらい功徳を得るというものだ。
それはこのような故事からだ。釈尊の前世の時代に燃燈仏様がいらっしゃって、この世に功徳を与えていらっしゃった。王様は自分で燃燈仏様に花を捧げ、功徳を独り占めしようとして、国の花をすべて持って来るよう指令を出した。とある青年が自分もぜひとも花を捧げて功徳を得たいとしたが花がない。ちょうど王様のところに7本の花を持っていこうとしている少女に出会う。青年は王様の命令だから出来ないと断る少女に全財産を渡し、5本の花を分けてもらう。それを燃燈仏に捧げる。青年からその話しを聞いた少女も2本の花を捧げて功徳を得た。そして輪廻で後世にあらわれたのがシッダールタ王子と隣国のヤショダラ姫だ。そしてシッダールタは釈尊になる。それが行華(あんげ)の逸話だ。
とにかく震災後、冠婚葬祭は変わってきている。

投稿者 磯村信夫 : 2011年6月 6日 00:00

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