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2012年4月 2日

花は生・配・販同盟が正解

東京ではようやく桜が咲き始めた。そうは言ってもまだまだ寒く、朝晩はコートが手放せない。今週は例年よりも寒いというので、冬物の花と春物の花が重なって出荷される週となってゆく。小売店は家庭需要と冠婚葬祭需要を当て込んだ販売をしなければならないので、卸売価格は2010年比で単価は若干安めに推移する予定である。
 
新年度を迎え、鉄道で云えば駅の役目をする花き市場の存在意義について認識を新たにしたい。かつて、商社の無用論が言われたが、今も卸売市場無用論を時々見る。卸売市場の存在の根拠は、マーガレットホールの法則(取引減少の法則、在庫適正化の法則と場の集積の力と情報の力によって根拠付けられる。)だが、卸売市場はまさに生・配・販同盟なのである。

ここではちょっと消費者から支持を受けている小売の繁盛店がどのように仕事を行っているか見てみよう。まず専門店だが、セレクトショップ化した花店が成長している。月替わり、週替わりで品揃えを変えたり、カリスマ店長と言える人が目利きで品揃えをしてお客様に共感を与え購入してもらう。量販店の花売場も売れてしまったら品物を補充したり、或いは店舗間の移動によって売場がいつも新しくなっている。そう云った少量多品種の品揃えのお店が人気だ。中には大量多品種という量販店もあるが、それは売る力があるからで多品種がミソのところだ。このように花売場を支える多品種、また代替品がきちっと揃う卸の存在が花市場の存在意義である。もちろん仕事だから「質・価格・納期」の3つが重要であることは言うまでもないが、小売店がお客様に満足してもらうには市場がかかせない。しかも出来るだけ仕入れに時間を費やすことなく地元に花市場があることが望ましい。鉄道網のように花き流通はなっている。新幹線が通って欲しいと願っているところも通ったら通ったで、買い物は大都市に行ってしまうし宿泊客もいなくなったと嘆くこともある。しかし、地元を大切にする気持ちは消費者も小売店も生産者も変わりはない。だから品揃えで足りない花があるのなら、中核的な市場からそれだけ分けてもらい、小売店がお客様にとって魅力あるものにしていく必要が市場にはある。全国の花市場は日本中どこで花店を開業したいと言っても、素早く開店出来るだけの品揃えを地元市場は提供する。

サプライチェーンプラス市場間ネットワークで2012年度は、花の過不足を極力吸収し、全国民に花のある生活を楽しんでもらえるようにする。それが全国130もの花の花き卸売市場の共通の役目であり願いである。

投稿者 磯村信夫 : 2012年4月 2日 17:06

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