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2012年4月23日

入社試験の一場面から

先週は風邪をこじらせて一家で寝込んでいたから、近所のコンビニがさらにおいしく便利になったので大変助けられた。時代と共に絶えず新しくなっているコンビニの姿は、我々事業を行う者にとって一つの手本で、商売というのはこうあらねばならぬ。頑張らなくちゃあという気にさせる。
21日の土曜日に来期採用予定の学生面接を行った。生まれは1990年、鶴見緑地で花の博覧会があり、大田市場の花き部が開場した年だ。その年に生まれた大学生たちを選考していると思うと、次世代の我が社を創っていってくれる人達を選考する気になって、ついつい力が入りすぎたと今にして思っている。
開業した1990年以後に入社した社員は1970年代以後生まれの人達だ。これらの世代はロストジェネレーションと言われ、社会に出た途端、バブルが崩壊し「こんなはずじゃなかった」と、毎年生活が良くなるはずが現実は経済が下降した為、先行き暗く不安で憤懣やる方ない世代である。しかし若いからその状況に順応し、時代に合わせて活躍している。大田花きの基幹的な業務を担っているのはこの世代で、昭和の時代に住んでいる先輩たちやバブルを体感した先輩たちより「昔はこうだった」などと言わないから良い仕事が出来ている。
家計支出を見ると、1990年を100%とした時に2010年は93.3%である。デフレで色々な物が安くなった割には、毎年0.5%弱しか家計支出はこの20年減っていなかったのだ。業界として一番市場規模が小さくなったのが衣料品だ。20年間で約半分の50.5%になった。この業界で生きて頑張っている人達は、タフでまさにサバイバル精神に長けた人達だ。食品はというと、企業の交際費が減って少子高齢化になった分、約16%減った。日本の世帯のうちの半分が一人世帯、二人世帯だからお惣菜は増えたし、パンでもピンキリで、この「キリ」の物も100円で美味いのである。
21日の土曜日の面接の中でも一人の男子学生は、「今は確かに野菜の時代だと思います。しかし花は心に栄養を与える商品だと思い受験しました。40年もやっている近所のお花屋さんに、花関係の会社を受けに行くというと、花はもうあまり良くないんじゃないかと言われたのが悔しくて。絶対花業界は良くなると思うんです」という学生がいた。私からも少子高齢化の中でもやり方を間違えなければ需要は減らない。それどころか増やすことが出来ると云った。ここ20年で教育費は7%増え、住居光熱費は25%増えた。交通通信費、或いは医療費などの3割以上の伸びのものもある。少子高齢化の中にあっても、人々はより素晴らしい人生や暮らしにお金も時間も使っている。そして、花は住環境の中にこそ需要が沸き出でるもので、豊かな空間生活に欠かせないアイテムである筈だ。

同じことをやっていれば、職を失うか、買ってもらうとすれば単価を下げざるを得ない。居住空間に投資をしている消費者に向けて、又、ダブルインカムの人達の居住空間の豊かさを演出するものとして花を買ってもらうというのが、まず我々がやらなければならないことである。

投稿者 磯村信夫 : 2012年4月23日 11:58

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