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2012年6月11日

女性の力で需給のズレをなくす

 旧東海道に品川宿跡がある。昨日の10日は、品川宿近辺の祭りで旧東海道はごった返していた。これだけの御神輿が出る祭りは品川区・大田区でもここぐらいであろう。商店街の人達が一致団結し、氏子共々祭りの運営に活躍しているところを見ると、地元の素晴らしさや地域社会の素晴らしさが再確認できて日頃不満に思っている政治経済の諸問題など吹っ飛んでしまい、「やはり何でもやらなければ実現しない」と実際に花き業界で努力を積み重ねて行こうと思った。
 
 アジサイの季節で花の持ちも少し悪くなり、冬・春と担当してくれていた産地の品物に品質の衰えが目立ってきた。今週末は父の日で、黄色いバラやヒマワリがお父さんの花として人気だが、今週は今日重いスタートとなった。月曜日に重いスタートとなるのは、金・土・日の週末のうち、金曜日の午後と土曜日に雨が降って、花の売れ行きが芳しくなかったことによる。日曜日は、住宅地の花屋さんなど休むところが多いので日曜日の雨は相場に然程影響がない。しかし、金曜日の午後と土曜日は、月曜日の市況にもろに影響が出る。出荷量は月曜日に比較的多い。理由は週末に普段は会社勤めの子供達も実家の花作りの手伝いをするからで、量が多い上に週末が天気が悪いと小売店は在庫がある為、安値となる。

 需要が週末型になってきたのは、21世紀になってからで、元々法事と結婚式は週末であり、小売需要の店頭に買いに来る女性達もパートにNPOにと忙しくなったので、すっかり需要が週末型になっている。そして、店頭での花の品揃えが消費者とミスマッチとなっている場合が多くなってきている。女性が花を買うが、仕入れは必ずしも女性の好みを反映したものになっているかどうか、ほとんどの仕入れの人達が男性である為に起こっているミスマッチがあるのではないかと思われる。大田花き市場には、青果や魚の市場から比べれば、女性の比率は高い。卸・仲卸の社員にしてもセリ権を持っている買参人にしても、仲卸に買出しに来る人にしても女性は多い。しかし、その特性が十分に活かされているかというと例えば市場で場内に保育所が設置されていない所などを見ると、女性の活力が十分に活かされているとは云い難い。
 
 そして、これは今後の課題だが、もっと買い手に近く、店で思わず買いたくなるようなマーケティングを大田花き市場として、また花店がそうなるようにリテールサポートをしなければならないと思う。女性の力を活かしきれていない、ここに花き業界全体が消費者とずれている原因があるのではないかと思う。そのずれの部分が何とももったいない。卸であれば、産地との品種選びやセリ順決定において、仲卸や小売であれば、何を販売促進するか、何を仕入れるか。またその他pricing(価格設定)など、今以上に女性に頑張って活躍してもらわなければならない。こう昨日の品川宿の祭りで働く女性を見ていて思った。

投稿者 磯村信夫 : 2012年6月11日 12:46

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