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2012年7月 2日

ユリの八重化

 総会の時期も終わり、今年も残すところ後半分となった。各企業の取組みを見る限り、世界経済の縮小の中で、積極的に手を打って行こうとしている企業の姿が浮かび上がってくる。とりわけ勢いづいているのが内需関連のコンビニ、量販店、インターネット販売などで時局を捉えて夫婦共稼ぎや高齢化をイメージした戦略に出ている。

 人口動態やら時代の雰囲気は花き業界も一緒で、今週末に七夕があるが、笹でも大きいタイプの2メートル以上のもののうち、約20%は老人ホーム向けであると大田花きは推測している。介護付き老人ホームが出来てから、所謂老人ホームとケア付きマンション的なものと、この分野での深掘りが始まっているが、元気なうちにマンションに引っ越すのと同様にホームに入る人が増えてきている。七夕の笹でこれだけの需要があるのだから花や緑にも需要があるはずで、頭の老化防止といっては何だが能力トレーニングの為にもう一度生け花やアレンジメント、或いはコンテナガーデンなどの教室の需要を展開するのも面白いのではないだろうか。

 そしてもう一つ。今ユリのシーズンなのでユリの向う方向性について話をしたい。まだ、先端を行く人達が使い始めた位だが、今後の潮流になっていくと感じている。それはユリの八重である。出荷の時の切り前が難しい点はある。又、蕾が大きいので移送中に花首が傷んだり折れたりする可能性がある。だがそれにも増して咲き足がゆっくりで咲いて見事だし、今流行りの重ね着である上に花粉がないから服やテーブルを汚す心配もない。八重でなく一重も処理をすることによって花粉が出ないようにしている産地もあり、花粉対策に一層の注意を払っている。八重品種改良の時間もあるから急激に増えるというのではないが、今後5年間をとってみると、この流れは1つの潮流になるのではないかと推測している。大田市場の周りでも山ユリが咲き始めた。ハイブリットユリにとって新しいものである八重化、花粉なしの潮流を大田花きとしてサポートしてゆきたい。

投稿者 磯村信夫 : 2012年7月 2日 12:42

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