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2012年8月20日

「セリ機 2012年度セリシステム完成」

シャープは来月までにリストラ案を、まとめて復活の準備に入るという。液晶テレビがこんなに値段が安くなるとは思わなかったが、シャープの大型画面を大田花きはセリ時計に使った。

1990年、市場法ではセリ取引が中心でセリ前の取引を「引き荷」とか「先取り」と云っていた。バブル経済が崩壊し、荷物が余り気味になると、先取り価格は高値を付けていたが、1995年からセリの中値で良いということになった。そして、1999年セリ取引と同等の取引として相対取引が市場法によって認められた。委託品に対してセリと相対、それ以外の取引で契約取引である予約取引がある。セリ取引のウェイトは特に青果市場で下がり、花き市場でも中央市場を中心にセリ取引のシェアーが下がっていった。2004年卸売会社の買い付けが認められるようになり、普通の商売と同様、卸売会社は再販で利益が取れるようになり、青果市場を中心にますますセリ取引の比率が小さくなって行った。2009年の第9次卸売市場整備方針に於いて青果と魚を中心に中央中核市場の選定が行われると、花もその影響で地方の市場が荷揃えの為、中核的な市場をセリ前に利用し、自社の品揃えをするようになった。そうなると、ますますセリ以外の取引の比率が多くなる。
しかし、花は品種・等階級まで入れると15,000アイテムもの花々を一日で取引することになる。こんなに多種多様な花の価値基準はやはり大多数の人の意見集約であるセリに拠らなければならない。そのセリの値段を参考に生産者は出荷計画を立てるだけでなく、日々のセリ前取引である相対に於いても、セリ価格が欠かせない指標として用いられることとなる。
そこで花の場合、大田花きとなにわ花いちばのセリ場が切花の日本の指標を生み出す東西の市場として、日本の花き業界にとって欠かせない存在となっている。問題は放っておいたら衰退しそうなセリを活性化させなければならないという点である。そうでなければ指標にならない。

世の中の需要を背負った人達がセリに参加し、セリの相場形成されることが大切なのだ。量販店・花束加工業者・結婚式・葬儀の仕事花屋さん、この人達はセリ前取引を利用したがるが、極力セリでも買ってもらわなければならない。地方市場も同様である。セリに参加するのが東京・神奈川・首都圏の専門店だけではその時の需要に反映した相場ではない。全国の指標になる相場とは云えないのだ。なので、大田花きは、在宅セリを開発したし、今期在宅セリシステムとセリ場のシステムを同じものに揃えることにより使い勝手を良くし、セリの中で最もコストが高かったセリ表示盤を値段の下がってきた市販の液晶パネルを使って時計を表示することにして多大な設備投資を回避した。この様式であれば大型市場でなくても中規模な市場でも十分にペイラインに乗る。22年前、大田花きがコンピュータでセリをするようになり日本中至るところでセリ機を使ったコンピュータセリが誕生した。しかし、セリから相対が多くなり、セリ機を導入した市場は設備のリニューアルに頭を悩ませている。もう既に数社見学にいらっしゃっており、担当者から説明をしたが、是非ともセリのリニューアルと設備投資に悩んでいらっしゃる市場があったらどうぞお気軽に声をお掛け下さい。今までよりも安く、買参人にとっても良いシステムが誕生しました。そして共にセリの活性化に向けて、もう一度奮起しようではありませんか。時代と共に歩んでいくセリシステムが今日すべて完成しました。これで商売しようという気は更々ありません。沢山の来場と同業者からのお問い合わせをお待ちしております。

投稿者 磯村信夫 : 2012年8月20日 00:00

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