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2012年9月17日

仏事の物日は堅調

 16日の日曜日は、モースが電車に乗っていて発見した大森貝塚を発掘した日だ。それから135年経つが、僕も散歩で時々貝塚へ行く。大森は根岸と並んで、明治の大老たちが住まいした場所で、今でも新幹線の品川駅を出ると右手に森があるが、伊藤博文の屋敷跡とか大仏とかの緑が目に飛び込んでくる。今年の彼岸の入りは19日で、大森貝塚から旧東海道に降りて行くと、品川駅から横浜まで京浜急行の両側はお寺が本当に多い。お彼岸はすごい賑わいだ。お屋敷町があってお寺が多いとなると当然に花の需要が多かったわけで、大田花きもハイセンスな花や伝統の生け花の枝物、そして物日の仏様の花は得意中の得意だ。大田花きは、それらと同様得意としているものに進駐軍であるアメリカ軍の影響を受けた花の使い方がある。それは、都心部に最も近い中央市場であることもあるが、大森園芸の頃から山王ホテルやドイツ学園、本牧や横須賀の基地、また基地の人たちを相手にしているお花屋さんが、大森園芸を仕入れの場所として利用していたので、クリスマス、バレンタイン、感謝祭は本当に良く売れた。
 今、新たな売れ筋になったのは、これはディズニーランドが車で30分以内の場所にあるからであるが、ハロウィンは団塊ジュニアの世代を中心に新しい物日になってきている。いろいろな物日が増えて、17日の敬老の日の花のプレゼントもそれなりの需要量だが、以前ほどの勢いはないように思う。それは団塊の世代の早いところで65歳以上の高齢者が増え、日本が本格的に高齢化社会に突入しているからであろう。後期高齢者の長生きはおめでたいが、65歳以上でくくられる下の方の高齢者はおめでたくとも何ともないということであろう。年金は本当に次世代の負担が大きすぎないのか。ロシア・日本が少子高齢化の先駆けであるので、高齢者がどのように経済的にも自立して社会の中でやっていくのか世界に先駆け世界の手本になるシステムを作って行って欲しい。
 花の仕事をしていると、高齢化社会というのは決して悪くないと思っているのだが、上手に富と文化を次世代に伝えて行きたい。その為には、お年寄りが自分達の権利ばかり主張せず、経済的にも富を上手に次世代に渡せるしくみ作りが必要である。敬老の日の花、岩手のりんどうの鉢物を見ながらそう思う次第である。

投稿者 磯村信夫 : 2012年9月17日 11:40

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