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2012年10月 1日

合言葉はスマートな市場

 台風17号で被害にあわれた皆様に御見舞い申し上げます。
そして15号、16号と2回の台風で甚大なる被害にあった、沖縄県、鹿児島県の産地の皆様このたびの17号でも甚大な被害があり、せっかく作業場、ハウスなどを建て直して、今ようやく冬用に植えつけようとしている最中でありましたのに、また台風被害に合われましたこと、お見舞いの言葉もありません。たとえ植え付けが遅れても、時機が来てご出荷頂ければ日本中の市場は一生懸命販売することをお約束いたします。

 花は今、物日の「花の買場」が専門店と量販店の2つになって量販店が力をつけてきています。消費は高いものが売れにくくなっていますが、しっかりしていると言ってよいと思います。肉、魚、野菜、花の生鮮4品の内、魚の消費が落ち込んでいます。どうにか挽回しようと「ファストフィッシュ」あとは煮たり、焼いたりすればよいだけの加工したものがでてきています。確かに、お店でさばいてもらわないと出刃包丁のないお宅が多いので魚は面倒くさいということでしょうか。団塊Jr.以降の人たちで魚のさばき方の上手な人は少数派でしょう。高学歴になって女性も働くから「ファストフィッシュ」の考えはもってこいです。しかしこれだけでは魚離れは止まりません。もう一度地元をあげて地産地消の食文化をPRする必要があります。PRしなきゃ困るところまで来ているということは魚市場の経営が悪化しているところが、多いということです。

卸売市場は中央卸売市場と地方卸売市場に分かれますが、今、魚市場で問題になっているのは公設市場と協同組合の地方卸売市場です。ただ単の地方卸売市場ならば開設者は民営ですから、国や地方自治体は責任はありませんが、公設となると市や県が開設者となります。また組合ですと当然その組合が責任を負いますが、市町村や場合によっては県などと深く結びついており、施設の老朽化などで優先的に公設や組合卸売市場の面倒を見なければならないようになっています。卸売市場の問題点は「営業成績(財務体質も含む)」によって業績の悪いところを出して、やる気のある所を入場させる、入れ替えのシステムがないことです。中央卸売市場の場合、総務省から「計画倒れの中央市場は地方卸売市場にせよ」という指摘があり、中央から地方化へ進みましたが、結局経営の問題なので業者の入れ替えがないというのは今の世の中おかしいことになります。今後は消費者の数が減っていくわけで、しかもその人達は忙しくても、あるいはリタイヤ組であれば時間がたっぷりあっても、上質な日常を送りたいと思っています。よってどのように品格のある国民生活を生鮮食料品、花きの分野から実現していくか、それが我々卸売市場の役目であります。そうなると中間流通業者として、自ら律し、勉強してレベルの高い経営をしていく必要があります。流行り言葉で言えばスマート市場を作りだすことです。もちろんIT化や低温化も必要です。何よりも消費者の立場に立って鮮魚を扱う。一次加工、2次加工したものを扱う。1社で品揃えできない場合が多いので、市場間でグループを組みネットワークで小売店の消費者のニーズを満たすのです。まず消費者ありきでネットワーク化された市場に自分の市場に作りかえるのです。今、生鮮4品では魚市場から淘汰が始まり、そろそろ最終局面にも来つつあります。国の責任から県や市町村の責任に、責任の所在が移管しただけではなりません。やはり民活です。我々花の業者は切花は手を入れないと商品にならない魚のようなもの、鉢物は果物のようなもので参考となる市場運営の例は違いますが、良い市場、悪い市場の2つを見て学び健全経営をしていきたいと思います。合言葉は「スマートな市場」であります。

投稿者 磯村信夫 : 2012年10月 1日 00:00

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