大田花き 大田花きコーポレートサイトへ
 

« くれない族 | トップ | 忘れてしまった基本が原因 »

2012年11月 5日

販促第一

 コートの季節になって来た。市場にも白ぬりが出るようになって、何か今年は秋が短く、秋物を売り損ねた気がする。季節の訪れが遅いと、今年の10月のように前年を下回ることが多い。景気の先行き見通しは明るくなさそうだが、花の場合には天気と景気をやる気の工夫で補えることも多く、プラス5%、マイナス5%の幅に収めようと小売店も市場も努力しているが、今年の10月は10%マイナスになったところが多かった。

 卸売市場では切花を中心にセリ前取引の比率が上がってきて、情報が大切になってきている。早い的確な産地からの送り状情報はどこの市場も欠かせない。これによって得意先のお客様に売り込める可能性があるからだ。買い手の小売店や仲卸はかつて自分はここからしか買わないと云う時代があったが、今は2社以上仕入先を使っているのが普通だ。なので、どこの売り手が高いか安いかは、市場や仲卸より買い手の方がよく知っている。

 そうなると、大切なのは仕入れ先のコストが安いかどうかである。すなわち品揃え、代替品があるかなどどこでも値段はそんなに変わらない為、必要な時にしっかりと品物が揃うか、走り物があるか、そこにしかないオリジナルな物があるか、余っている物を押し付けられないかなど、物流まで含めてトータルの仕入れコスト・パフォーマンスが決め手となるのである。

 20世紀と比べて一般的な花でも、その市場が得意とする花の取扱数量のシェアーが上がっている。それは日本中の買い手が仕入れソースを多元化した為であろう。「他にはなくて、ここの市場にはこんなにあるのか」ということが起こってくる。そうなると流通業者は、自分のところを選んでもらうには、商品開発に力を入れて行くことになる。それが卸・仲卸・小売店まで含め価格競争から脱する方法だ。

 しかし、その前に花は本当に十分だと云われるくらいレストランや家庭に飾られているだろうか。商品開発も大切だが、まずは販促活動であろう。そこで、フラワーバレンタインだけでなく、まず11月22日の"いい夫婦の日"を取り上げ、小売店の皆様に道行く消費者へアピールしてもらえるよう販促活動をしよう。

 "オランダ屋"様の試飾は、実際に好評である。売上増を見込んで、相場が下がる10日、20日近辺に試飾を行おう。新しいお客様、普段花を買わないお客様に花のファンになってもらえれば業界は発展する。消費地にいる者の責任として、まずは販促、次に商品開発、優先順位はこの順番だ。

投稿者 磯村信夫 : 2012年11月 5日 12:06

Copyright(C) Ota Floriculture Auction Co.,Ltd.