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2012年12月 3日

今年の1月~3月から潮流化した傾向

 今年一年を振り返り、新しく生まれた傾向を数回に分けて語ってみたい。
2012年、冬の厳しさは久しぶりのもので温暖化が吹き飛んだような感じであった。油の高騰から生産量が少なく、今後を方向付けるトレンドがいくつも生まれた。

"鉢物は需要期集中型"
 12月に出し遅れた荷物はあったが、3月までの間、鉢物は作付けが少ない。今後フラワーバレンタインで鉢物もギフト用に開発していくが、何を開発するかバラの鉢が中心になると予想は出来るが外はわからない。切花のように何でも春の花というようにはいかない。
12月の後、3月まで出荷量が少ない時期となる。

"国産白菊少なく高騰"
 従来から中国でも神馬が作られていたが、それに加え韓国、マレーシア、ベトナムと安定して日本に出荷できる体制を取ろうとするきっかけとなってしまった。円はリーマンショックの前からすると、2割以上高くなったので海外の花生産者からすると、高齢化社会のトップランナーである日本へ向けてこれならいけると思わせた。国産の大産地は神馬より素晴らしい品種を日本のチームとして開発、生産していくべきだろう。

"油高から出荷も道州制の範囲"
 九州では、未だ消費量よりも生産量の方が多い。なので、九州圏外に出荷していかないと価値が下がってしまう。秋から冬にかけて日本中に荷を今まで出荷してきたが飛行機が小さくなり、大量に運べないだけでなく大型トラック中心の輸送となってきた。
 それ故、九州の生産地はまず福岡までというのは運賃を考えた時、常識的な出荷先。せいぜい中国地方までで、関西市場までとなると競争力が強くないと運賃が高くなって出荷が難しくなってしまう。
 売上高運賃比率20パーセント以下、これ以上の運賃では手取りが少なくなって、何のために花を作っているのかわからなくなってしまう。こうして花き生産の面積の減少が九州において加速化してきた。

"トラック輸送中心になって、出荷市場を絞り込んでいる"
 燃料費高で、生産者の冬場の出荷量も少ない。そうすると市場の数を絞り込んで積載効率良く、量をつけても価格変動が少ない市場に出荷せざるを得ない。花の生産地の農協にとって、また花の卸売市場にとって売上額は1・2月は損益分岐点に達しない。よって、12月の反省をしたり、3月の計画を立てたり、もちろん節分やフラワーバレンタインや桃の節句の需要も2月はある。しかし、出費を抑える月でもある。
今年の1・2月から大型産地の市場の絞込みが本格化した。

"輸入品増える"
 今年の3月は、本当に寒かったから国内生産が少なかった。例年並みに数量を確保して頑張ってくれたのが沖縄県だけであった。不足分は輸入品で補われた。輸入花がなければ、売るものがないという中堅市場もあった。
 菊・バラ・カーネーション・ラン・葉物の国際流通5大品目は卸売市場が専門輸入商社等を頼って一定割合販売するようになったというのが、今年の冬から確かな潮流となった。

"国産カーネーションの人気"
 カーネーションの3本に1本がコロンビアを始めとする輸入品であった。市場によっては、ほとんどが輸入物となり国産が朝ドラの影響もあり、人気が沸騰してきた。そうはいっても価格のイニシアティブが輸入に握られており、国産を的確に評価できる卸売市場は限られている。よって、国産カーネーションは市場間転送しても価値ある品目となってきた。

投稿者 磯村信夫 : 2012年12月 3日 16:15

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