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2012年12月17日

第3弾 本年明らかになった潮流で、今後も続くと思われるもの

"7月盆は普通の仏花がじわじわと広がる"
 三大都市圏は集団就職世代と、長男は田舎に残っているが、次男三男が住んでいる。高齢化は大都市の方が激しいのだ。
 首都圏の団塊の世代で早いところでは親が亡くなり、お盆をし始めている。7月は夏休み前の普段月。迎え火や送り火、自宅にお坊さんに来てもらいお経をあげてもらうことはしていないが、日頃よりもお盆を意識して花とお供え物をする。そういったことが、団塊の世代のトップが65歳以上になって目に見える潮流になってきている。高冷地からは早出しのハウスリンドウや露地物のリンドウの出荷が始まってきて、少し贅沢な仏様の花として7月盆によく売れている。

"8月盆は国民的行事"
 相続が発生する平均的年齢は67歳と言われている。団塊の世代を中心に親がまだ元気なうちにとお盆に故郷へ帰るのは国民的行事にもなっている。
 故郷へ帰りご仏壇に手を合わせる。地域によってはお墓参りをする。そういったお盆休みを過ごし、それに合わせた花の需要はピークを迎えていると思われる。
しかしその後、都会に出てきた次男、三男が67歳を過ぎる頃になると、両親がいなくなった田舎の姉さんに迷惑をかけるからと盆に帰らなくなる。現在既に両親を亡くしている団塊世代の地方出身者夫婦の行動をみていると旅行などをして過ごす人たちが多いことに気づく。まずは2015年に向けて8月盆の花の需要は高まっていく。

"夏露地物、東北に期待"
 園芸先進地である長野県では、露地栽培がめっきり少なくなって施設栽培中心となっている。しかし、ハウスものだけでは物日の需要量に対応出来ない。菊・小菊など花持ちが良い夏場の花を露地栽培で量的にも生産していこうとする東北各県へ日本中の花市場は期待している。
 例えば、生産量が増えてきた秋田県への関西市場からのラブコールは年々大きくなるばかりである。出荷量が毎年少なくなってきている花き業界では露地物を頑張って作っていこうする東北各県の産地への期待が大きい。

"リタイアー組、花き栽培を始める"
 北関東や愛知県周辺の県では、60歳定年後、65歳までの再雇用を希望せず、アスターや小菊など花き栽培に携わる人たちが目立つ。意欲的な農協では花き係が普及センターの県職員と一緒になり、第二の人生の仕事として花き栽培を奨励している。今までサラリーマンだった人たちが花き部会へ入り、部会や農協の組織そのものも活性化してきたと嬉しい声を聞く事が多くなってきた。ご本人たちへ伺うと、やりがいがあり、面白くてやめられないという。小菊、アスター、ケイトウ、草花など、量的に販売できる物を多く生産している。

投稿者 磯村信夫 : 2012年12月17日 15:50

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