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2013年1月21日

花の単価下げ止まる、そしてこれから

 とある花のチェーン店のオーナーが、12月新政権が誕生し、株価が上がると荷動きが良くなって、「これからも株価に注目していないと花屋もだめですね」と言っていた。
 円も独歩高だったのが、購買力平価換算の91円の線に近づいてきて、新政権や日銀が的確に手を打ってくれれば、海外に工場を移したり人件費を下げることばかり考えなくても良さそうだ、と大田区の経営者も言っていたと銀行関係者が教えてくれた。日本経済は先行期待で陽が差して来た。
 
 もう5年程前になるが、オランダ系アメリカ人の友人、エイビ・ウィンパレが来日した時、
「何故今回のリーマン・ショックでもどこの国より日本の鉱工業生産が落ち込んで景気が悪くなっているのに日本政府はもっと手を打たないのか」
「日本人はバブル崩壊後、政府は的確な経済政策を打たず、失われた10年などと言っていた時に耐え忍んでいたが、今回は失われた20年と言って政府を許そうとしている。アメリカだったら大変なことだ。何故マスコミもそういう批判がないのだ」
と言っていた。
 エイビは、会社設立10年で300億円以上の売上高にした世界最大のインターネット花屋"Proflowers"の社長だ。以前はスーパーマーケット"Kroger"に花を卸していた人物だ。
 彼に言われたその時、私自身ある意味で政治に失望しており、自分たちの業界の力で何とかしなければならないと思っていたので、聞き流してしまっていた。

 91年ソ連邦崩壊後、経済力が軍事力に次ぐものとして、国力を測る上で、国際社会の中で大きな意味を持つようになった。
その中で日本は特に2007年以降、経済政策に失敗し日本人に自信を失わせてきた。
 現在、年間自殺者約3万人のうち、約1万人は経済的理由であるという。全てが日本の経済政策の問題でないにせよ、職がなくなったり給与所得者の所得は減ったりしてきたのだ。

 花の生産を
「齢をとったからもう出来ない」
「儲からないから辞める」
などで面積の縮小まで入れると、花き生産量は減少している。
 輸入品を含む花き市場の取扱高で、1990年に行われた大阪"国際花と緑の博覧会"以前の卸売市場取扱金額3,800億円まで落ち込んだ。特に2005年以降生産が減っているのに単価の下落が止まらず、また、温室園芸に欠かせない油代が高くなったことによる。
 昨年業界全体で、ようやく単価が下げ止まった感が共有出来た。これから単価はもう下がらず、反転していくだろう。
 そういった中で、2013年経済政策も適切に実行され、消費税が上がることによる一定期間の買い控えを経て、新しい国内の花き生産と花き流通の姿があらわれてくる。

 現在、花を軽減税率の適用品目にしてもらおうと運動している。中央卸売市場で取り扱われている、肉・魚・青果・花きの4品目を生活に欠かせない物として、ヨーロッパの主要国と同様にしてもらおうと思っている。
 軽減税率が適用されると得をするのは、消費者と生産者である。なので、消費と日本農業の活性化に効く軽減税率運動に花き業界あげて取り組んでいこうとしているところである。
読者の皆さん、一緒にやりましょう。

投稿者 磯村信夫 : 2013年1月21日 00:00

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