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2013年2月 4日

ライブの大切さ

 昨日(2月3日(日))の道路情報では、千葉県の館山道がフラワーロードへの富浦の出口で渋滞していたという。千葉県の館山から鴨川にかけては、花の産地で露地のストック、金盞花などが有名だ。特産物のポピーもある。毎年ちょうど"関東東海 花の展覧会"開催の頃、いよいよ日も長くなってきて、花のシーズン突入となる。

 "関東東海 花の展覧会"は、花き業界では最も高品質な切花や鉢物が出品されるので、花き生産者や流通業者にとって必見の品評会である。一般の人たちは、2月下旬の雛祭りが近づく頃に需要が盛り上がっていくのだが、今年は12月1月と特に寒かったので春を待ち焦がれる気持ちが例年より強く、2月になると既に花の需要が出てきた。会場の池袋サンシャインは賑わったという。

 1月末売れ行きがあまり良くなかったのは、レジャーとバーゲンで出費がかさんで購買力が衰えていたことだ。昔と違い、ヒートテックやダウンなど女性の防寒対策グッズが豊富になり、寒さで外出したくないという理由も少なくなった。2月に入りバーゲンも終わり、気持ちの上で花に費やすお金の余裕が出てきたようだ。

 さて、大田花きでは在宅セリの比率が20%をコンスタントに超えるようになってきた。
 大田市場花き部の会議で仲卸の代表より
「市場へ足を運ばなくても花を購入できるのは、市場への来場者が少なくなってしまうので困る」
という意見があった。仲卸業者も各社が情報発信し、在宅でも仲卸の各店舗が見えるように仲卸組合でサイトを運用すると良いと思う。現に仲卸組合で案が出ているようだ。

 セリ前取引や在宅セリで困るのは、購入しようとする物の情報しか目に留まらないことだ。人はすべてのことが見えるわけではない。見ようとするものしか見えない。そうなると、その花を手にすることは出来ても、それ以外でもっと自分の顧客の嗜好に合わせた仕入れが出来ない。
 更に言うと、どのような花がどれだけ出荷されているかがわからない。絶えず、過去の経験から自分の嗜好に合った物しか扱わないとなると考え方や営業範囲が狭まり、いつの間にか自社の価値が下がっていってしまうのが常だ。

 ヘビ年ではないが、蛻変していくことが大切なのだ。まず、その為には質・量とも自身が大きく成長していかなければならない。21世紀になり、小売店が雇用者数を減らし、人件費を抑えて、事業経営をするようになったので、利便性を考え在宅セリを実行した。
 大きな小売店では、自分のコンピュータで購入することにより、自社の物流シールを発行出来るように店舗ごとの仕分けや顧客別の仕分けが自社に着いた時点で効率良く作業を行う為に在宅セリを考えた。

 しかしそれによって、現実のセリ、ライブの価値を下げるものでもない。実際の取引は現物取引。このライブを可能な限り体験し、セリ前ネット取引や在宅セリシステムを使い仕入れをすることが良い。ライブで初めて評価眼と相場観、そして知識が養われるのである。
 今後花き市場では在宅セリシステムを導入する市場が多くなると思うが、ライブの大切さを肝に銘じてほしい。

投稿者 磯村信夫 : 2013年2月 4日 16:59

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