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2013年3月11日

生産技術革新を希望する

 フローラホランドの2月実績が前年比で15%も良かったので驚いている。
 1月下旬からヨーロッパでは寒波があり、2月になって温暖な気候となった。バレンタインデーの2月ではあるが、金融危機から実態経済が悪化していると言うのに、この売上の伸びである。
 一方、日本のマーケットはアベノミクスで景気が上向いて来ているのに、寒さで二桁マイナスであったから、花の消費の根強さに大きな違いがある。
 日本は仏事の物日には花は必需品となるが、日常の花、或いは花のある生活を楽しむという習慣はまだまだ弱い。
 日本の花き業界はバレンタインデーを男性が花を買う、西洋から入ってきた新しい物日にしようとしている。
 しかし、ベースになっている家庭需要というものは、やはりヨーロッパと違う。もう少し普段使いを頑張って掘り起こさなければならない。その為には、価格は大切な要素であろう。
 
 ヨーロッパに行くと、花の値段が安いので、思わず多く購入してしまう。日本の卸売価格とドイツの小売価格が同じ花もある。日本の方が安いのは苗物だけだ。後は、切花も鉢物も品質は良いが高いものが多い。

 今、アベノミクスでデフレストップと言っているが、花の場合、もう一度国際価格をしっかりと調べ、高いものがあったら農家の所得を落とすことなく、或いは農家の所得を上げても採算が合うように、どうすれば作れるかを研究すべきである。

 農業の第6次産業化で直売所や完成品を作り、売るところまでするのは良いだろう。しかし、それは抜本的な解決策にはならない。やはり生産だ。
 花や生鮮品は消耗品なのである。なので、消費者にあまり大きな金額的負担は掛けられない。もちろん高くても良いものはある。しかし、小売店が良いものを割安に販売できるようにもう一度生産の方式を研究し、実行に移してほしい。

 日本バラ切花協会の会員の方がオランダへ行き、一坪辺りの切花本数を倍近く生産する技術を学んだそうだが、天候の与件以外に必ず技術がある筈で、それをもう一度取得するべき時となっている。
 オランダの花市場の2月の取扱数量と金額を見て、やはり値段は個人消費を定着させるには欠かせない要素だと考える。
 
 生産者の皆さん、花き業界再出発の為、"良いもの安く"を始められる人から始めてほしい。

投稿者 磯村信夫 : 2013年3月11日 16:32

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