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2013年4月 8日

輸出倍増計画―市場で輸出検疫―

 4月8日、今日はお釈迦様の誕生をお祝いする"花祭り"の日である。今年は、昨日の日曜日、都内では桜祭りを計画した所も多かっただろうが、大森では桜が終わってしまったことと悪天候の天気予報で中止になった。

 しかし東海道の品川宿では、商店街の人々が中心となって開催され、まだ風が強かったもののきらきら光る春の日差しの中、多数の住人が駆けつけていた。
 お寺が多い品川宿辺りに住む若いお母さんと子供たちにお釈迦様の誕生日に花をお釈迦様に捧げることが、実は自分たちが"慈悲の心"を教わっていることを教えたいものだと思った。

 日本の花き業界は、1日・15日の仏様の花と榊の入替え需要がベースとなって、お客様がお店に買いに来て下さるとき、季節の花も購入していただくというリズムで動いている。特にご高齢の方を中心に花が好きで来店して下さるのはありがたい。

 さて、おとといの6日(土)に大田市場の青果仲卸の元社長であり、現在、経済産業大臣政務官・内閣府大臣政務官である平衆議院議員の会が大田区産業プラザで開催された。
 日本農業新聞(平成25年4月4日付)でも報じられていたが、日本の農産物の輸出促進の為、卸売市場で植物防疫官が輸出検疫を出張サービスすることが出来るようになり、その人数を増やすというのだ。
「甘利大臣も実態が分かってくれて推進してくれている」とうかがっていたのが、政府の方針として新聞の記事になった。

 生鮮食料品花きの4品目は素材の良さを生かした日本人の評価に裏付けられた世界第一級の肉・魚・果物・花である。これらを市場の仲卸がコンスタントに輸出国の問屋が長くても数日で捌ける量を、多頻度に輸出しようというものだ。
 日本列島は長いので、産地が移動することもあろう。また、各県が個別に売りに行くと、現地の問屋に手玉にとられるだけでなく、ロットが大きいものだから一定期間在庫にしながら販売せざるを得ず、結局安くないと買えない。こうなると輸出補助金が必要になる。これではだめだ。
 
 生鮮品の輸出入というのは、その国の市場の仲卸の仕事であるのが普通で、鮮度が大切な鰯でもポルトガルの魚市場の仲卸がニューヨークの魚市場に毎日送っている。
 端的に、このような例が一般的で、これを日本も普通に行おうとしているのだ。
 今年の春のように、肉も魚も野菜も花も安い年には、円安も手伝って多くの量を輸出出来るはずなのに、日本ではそのルートがまだ出来ていない。市場ルートをいち早く作って行きたいと思う。
 
 後は"インボイス"も問題がある。事前に商工会議所に届けなければならない手間がある。より簡単に措置がとれるようにして行かなければ、オランダやイタリアの仲卸ではないが、生鮮品は相場 のセールスがやりにくい。

 まずは第一に傷みやすい日本の生鮮品花きは世界の誰もが認める最高の品質揃い、これを輸出することを卸売市場の新しい仕事としたい。
 平議員は何もお金をかけずに既存のものを使えば、意識改革だけで輸出額を倍増出来ると考えている。もちろん私たち市場は「その造りを海外にも売り込もう」とこの話に乗って輸出をして行きたいと思う。

投稿者 磯村信夫 : 2013年4月 8日 16:52

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