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2013年5月13日

復興の為に花き生産も欠かせない

 3.11で被災に遭われた地域に安倍総理は休みを返上して行っている。なかなか出来ないことだが、昨日は仙台平野に行かれ、農業の復興具合をご覧になった。
 オランダは、被災した仙台平野の復興をいち早く援助しようと長い間干拓で培った技術で塩分濃度を下げたり、オランダで成功している大規模な施設園芸のハードとソフトを使ってもらおうと、特命農商務官を派遣するなどしている。
 
 復興で大規模温室栽培される作物は花も有力候補だ。地元の流通業者は、地元の生産者が主体になって「第6次産業」(※①)政策で花の大規模栽培しているチームがあると聞く。長崎県の諫早干拓で、中国海南島の菊にも値段の点でも負けない白菊生産の協業に弊社のグループ会社は取り組んでいるが、この規模を更に大きくしたものになると復興事業として素晴らしいものになると期待している。
 
 農業は米・麦など土地利用型、果菜類・軟弱野菜・花・果物の園芸型、そして畜産の大きく三つに分けて、それぞれ戦略的に日本農業の強みを更に磨くべきである。日本の農業者の最も優れている点は、技術力やマーケティング力まで含め人の価値にある。本当に日本の農業者は人材揃いなのだ。心技揃った農業者にしか出来ないのが、生鮮食料品花きの園芸作物と果樹などであり、この分野の中で更に一歩も二歩も世界で抜き出でたものになって行かなければならない。

 日本の園芸農業は国内の良いものを分かってくれる消費者に恵まれていたので、素材としての農産物に関わるマーケティング力と製品化する力は群を抜いているが、農場をマネジメントする力や農場のシステム化など農業を進化させて行こうとする力がここ20年少なくなってしまった。
 これをもう一度蘇らせて日本の農業を政治の力も借り、本格的に強くさせていかなければならないと私は花き産業に身を置く者として考えている。

 安定出荷や財力などで不安な花き生産者は、チームを作って花き生産をしてもらいたい。農協の花き部会や自分たちだけの法人化など、色々な手法はあるだろうが、組織体が必要だ。
 是非とも、組織体を作り、資金を確保しスケールアップして消費税が上がるであろう2014年4月からの消費減退局面を乗り切ってもらいたい。

○全花協(※②)では
 軽減税率と既に話題になっている時限立法の消費税がスムーズに転嫁される為の価格表示に関する法制化の2つを議員の先生方にお願いし、実現させるべく頑張っている。
 EUでは、27カ国中、13カ国が卸売市場で取り扱われている食肉、魚、青果、花きのうち、花きも軽減税率適用となっている。(※③)
 
 花は、消費者にとって心のビタミン・ミネラルであり、生活に欠かせないものなので、農業においても日本を活性化させる重要な品目であることは国民誰もが理解していただけることだろう。また、表示方式は仲卸や花束加工業者、そして小売業者が量販店や式場等に納品する際、消費税を的確に転嫁出来るよう、本体価格+消費税=総額としてもらうことだ。
 
 当初、財務省は総額表示の原則を曲げるわけには行かないとしていたが、3%から5%に消費税を上げた時、納品した生鮮食料品花き業者が消費税分を認められなかった為、結局その分相場が安くなってしまったことの経験に基づくものだ。
 この2つを全花協が先頭に立って是非実現させたいと考えている。卸売市場で扱う生鮮4品目は、消費者にとっても日本の農業者にとっても絶対に必要なものである。
 
 是非、読者の皆さん方も地元の国会議員の先生方、行政府の長、そして役所の農林部に働きかけてもらいたい。宜しくお願いします。


※①第6次産業・・第1次産業×第2次産業×3次産業の連帯事業
※②全花協・・「全国花き振興協議会」の略。花きの生産、流通、販売等の団体で構成
※③軽減税率に関する資料(PDF)

投稿者 磯村信夫 : 2013年5月13日 15:20

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