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2013年5月20日

ただいま菊安く、バラ良い

 今日20日は支払いの締め日と小雨が重なり、やや重たい雰囲気だが、母の日が終わり一週間が経ち、小売店も積極的にやらなくてはと先週の空気とは変わっている。
 高冷地もようやく平年並みの気候になり花が咲き始めたが、しばしの間は今までの寒さで高冷地への産地移行がスムーズに行かず、品物によっては少なくなるものが多くある。

 果菜類と花は市況の波長が似ており、20日悩みの21週目だが、団塊ジュニアの好む、野菜類や葉物そしてバラやカンパニュラなどを中心に一定水準の相場が期待できそうである。
 
 一輪菊の相場が低調なのは、現在、電照菊や夏菊などがだぶって出荷されている為であるが、構造的にはスーパーマーケットなど量販店の花売場がいつの間にか仏花に特化してしまった為、ここが動かなければ菊が安くなる。
 こういう流通構造になってしまっている為、1ヶ月以上も一輪菊が安いということになった。そうさせない為には、量販店の売り場を多彩なものにして行く必要がある。それは今期の我々の重要な仕事だ。

 また、お彼岸以降、スプレー菊の安値が続くという、ここ20年間なかった傾向が見て取れる。理由は昨年の台風被害で沖縄県、鹿児島県の小菊類が壊滅的打撃を受けた為、昨年のお正月に小菊に代わってスプレー菊を使ってみたところ、「いけるじゃないの」と言うことでスプレー菊の需要が拡大したためだ。
 
 しかし、3月彼岸はスプレー菊も小菊も多く、価格は安値となったが、4月以降もスプレー菊は国産とマレーシア、ベトナム産等がシェア競いをしている。海外産は日本に購入してもらわなければ安定した生産基盤を失いかねない。
 特にマレーシアの生産者は、安値でも我慢して出荷する。赤字でも今シェアを落としてしまうと、自分の行き場所がなくなる。通年で利益を出せば良いという考えから、国産品と輸入品がだぶって出荷され続けている。これは、カーネーションのコロンビアや中国の生産者そして輸入商とは違うところだ。
 現在、起きている現象は一輪菊とスプレー菊は安値であり、小菊の値段はまあまあ堅調ということだ。ここ20年以来、初めての現象だ。

 もう一つ、団塊ジュニアの人たちが好む花、団塊世代の人たちが好む花、どちらか一方の世代だけだと市況は決して良いとは言えない。この2つの世代が好きな物でないと、良い相場にならないのだ。
 
 今年の西武ドームで開催された"国際バラとガーデニングショウ"は、押すな押すなの大盛況。入場者もお弁当屋さんも花売場も本当に結果は良かったと主催者は言う。
 アベノミクスのおかげもあるだろうが、この2つの世代がバラとバラのある庭を格好良いと思っているからであって、今年は昨年より30歳代の人たちの数が目立った。量販店の花売場が仏花に特化してしまったのとは、逆の現象で大盛況であった。

投稿者 磯村信夫 : 2013年5月20日 12:10

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