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2013年6月10日

リテールサポート

 東北、北海道の産地からいよいよ出荷が始まってきた。先週末から北は関東と変わらない気温で、今日の荷物の到着は遅れ気味。普段より一時間以上も入荷が遅くなって、仲卸さんたちは相対品の分荷が出来ず手持ち無沙汰で、現場巡回していると早い到着を要請された。

 市場によって、役割は違うが大田市場のようにハブを役割としている市場は、遅くとも午前0時前に入ってもらう必要がある。そうでないと、手待ちが増えたり大田市場を出発する時間が遅くなるので、取引がキャンセルされたり、また遅いのが恒常化するとその産地はセリ取引以外では取引出来なくなるので、結局産地は全国規模に渡る買い手大手との取引がなくなる。花持ちの良い花ならば、定温管理し一日前に出荷して貰うことが必要となる。

 さて、公益財団法人食品流通構造改善促進機構の理事会で、隣に座った日本スーパーマーケット協会専務理事との雑談の一コマを紹介したい。
 挨拶をし終わると、彼は"磯村さん、花はこれからですね"と、嬉しいことをおっしゃる。
 彼の話をまとめると、以下のようになる。

 スーパーは売場構成によっても違うが、全体売上額の3分の1が魚・肉・青果だ。"魚離れを少し甘く見ていたのではないか。歳を取れば、また魚に戻ってくると思っていたが、そうならず歳を取っても肉を食べると言うことになっているのではないか。もう一度、食育や魚の調理法等の提案をしなければならない"と彼は言う。
 
 ここの所、週末に丸物が売れるようになって来ており、おばあちゃまが娘や孫を連れてスーパーへ買い物に行き、教育の為に旬の魚を買っていくそうだ。良い魚売場は遠方からも買いに来てくれる。
 季節物である魚介類は種類も多く、もうスーパーでも最寄品ではなく買回り品となっている。そこへ行くと、肉はだいたい牛・豚・鳥の3種類なので、調理方法の提案やちょっとしたお惣菜など、提案力のあるスーパーがお肉の良く売れているところだ。
 又、野菜や果物は毎日の食生活で欠かせないので瑞々しさが売りとなり、青果売場が良いと来客数がかなり安定するそうだ。なので、生鮮品では、まず青果売場をキーにしなければならない。  
 
 しかし、ここ1~2年どこのスーパーでも青果に力を入れ、宅配業者やコンビニまで青果を扱うようになって競争が激しくなり、利益がなかなか確保出来にくくなっている。
 それではと生鮮4品目の花を扱うところが増えて来た。スーパーで花を売るとすれば室内なので当然切花が多くなるが、これもしっかりとお客様へ商品説明や産地説明などお知らせする。組み合わせやアレンジメントはちょっとした料理と一緒で提案する。単品でも美しいので、提案によってどうとでもなるのだ。

 日本フローラルマーケティング協会の小川会長がおっしゃる通り、生鮮4品目の花でまだ0.5%程の売上シェアしかないので、まずは1%にするにはすぐに出来そうだ。次は3%を目指して行く。
 まず、売場を作り、次にそれに合った商品構成をする。こういった順にスーパーの花の売り方も考えて行く必要がある。
 
 今年の西武ドームで開催されたバラ展では、昨年よりも若者が多く、お母さんとお嬢さんの二人でいらっしゃる方も多かったと聞いている。売場作りは、そんなに難しく考えなくとも実行すれば売上が伸びると思われる。

 こういう状況だとすれば、我々卸売市場はリテールサポートに力を入れなければならないということだ。花の小売店は、専門店・量販店・ホームセンター、カタログ或いはネット販売、この4つが消費者の為に必要であるが、それぞれに合ったリテールサポートをする必要があり、それが消費を伸ばすことに直結すると思えてならない。

投稿者 磯村信夫 : 2013年6月10日 16:42

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