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2013年9月 2日

不満を少なくすれば満足するというわけではない

 先週の金曜日、バラの出荷グループ、九州大田会の会議が大田市場であり、いくつか話をした。その中で、これは役に立ったと会員からお褒めの言葉をいただいたので私が考えたのではないが、最新の"経営学"のセオリーの一つを紹介したい。
 
 それはフレデリック・ハーズバーグの「二要因理論」というものだ。働いていて不満に思うことは、①給与 ②対人関係 ③作業条件などである。
 給与を上げていれば、不満は少なくなるのだが、働くことへの満足感が得られるというわけではない。対人関係がスムーズに行けば不満はなくなるのだが、遣り甲斐があったとは言えない。
 人が満足に感じるのは、①達成すること ②承認されること ③仕事そのものなどである。仕事というのは、どんな仕事にも社会的に価値があり、仕事だからこそ成果を上げなければならないものである。

 そういえば、昨日の日曜日、気仙沼に結婚式でうかがったが、ボランティアの方たちが仕事をしており「炎天下なのに大変だな」と思ったが、これは遣り甲斐のある良い仕事だ。しかしお金とは縁がない。
 景気と業界そして会社独自の戦略、この3つがその事業体の売上げ・利益水準を決めて行く。
 統計によると、日本国民は気持ちを不安にさせるホルモンが多く出る国民らしい。心配性な国民なのだ。その分、手を抜かず、誠実に仕事をするのだろうが、ハーズバーグの不満要因ばかりを経営者が気にして、社員に対して処遇を設定してはいけない。
 もっと大切なことは、ともに夢を語り、やらされているのではなく自らやっていく、やりたいからこの仕事をする。と社員に思ってもらうことだ。
 
 社長や上司・先輩がどんな夢を持っていてその時代を作って行こうとしているのか、同じ夢を見てもらうことが必要だ。もちろん技術も必要だろう。技術は事を成し遂げるスキルだが、スキルがないと事は成し得ない。
 しかし、スキルがあれば良いかというと、夢やら信念がないと分かり易い音楽や絵でさえも明らかに人を感動させる力が違うことが分かる。これは仕事も同じだ。その会社はどんな夢を実現して取引先や消費者に物やサービスを与えようとしているのか。
 そもそも人を雇うのは、やりたいことが自分一人では出来ないからで、社員やパートの人と一緒になって夢を実現しようとする。そこに事業の面白さがある。
 
 ハーズバーグの「二要因理論」を花き産業に属する事業体は良く考え、新しい価値を創造して行く上で欠かせない知識だと思うのである。

投稿者 磯村信夫 : 2013年9月 2日 12:37

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