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2013年9月 9日

上手くやるにはやることとやらないことを取捨選択すること

 先週7日の土曜日に、花の卸をしている人たちと"ブエノスアイレスで東京が2020年のオリンピックに落選した時、安倍首相始め、リーダーたちがどういうコメントをするかによって、景気が悪くなる懸念がある。"と話し合っていた。
 出来ることは何でもやろうという意気込みでここまで来たので、東京オリンピックの招致成功は、今年度の設備投資や消費意欲の活発化を更に後押しするだろうし、消費税値上げによる需要の減退、それによる腰折れのリスクはかなり少なくなったと見て良いだろう。
 
 この9月の需要期も現在のところ、小菊が前進開花していて、鮮度保持定温庫がある大手の買参人を中心に購入して貰っているが、当然セリ場にも多く出回る。そんなことから、相場が弱含みで推移するとなると、今年の夏の天気で作柄が大変悪く品質を考慮すれば、絶対量は10%以上少ないというのに、結局間際になって品質の悪いものが高値となってしまうのは消費者に迷惑をかけることなので避けたいところ。出来るだけ情報を共有化し、情報で相場上げ下げの幅を小さくしようと考えている。
 この課題については、今後生産協会と市場協会が情報交換会をして少しでも相場形成に役立てれば良いと考えている。
 なぜ生産協会かというと、21世紀になってこの10年余り続いた国内の花の生産減は輸入花で補うという供給構造が崩れたからだ。
 それは、このコラムでも記載している通り、2013年3月、8月の小菊とスプレー菊の相場を見てもらえば、いかに輸入商の人たちが損を出したかがわかる。下り坂になったとき、大手も落ちるが、中堅以下の落ち幅は大きい。
 良いときには誰でも良くなるが、比率で言えば中堅以下の会社の業績がどんと良くなる。円安に触れて花の輸入商の損益分岐点は上った。今後は国内景気がもっと良くなって単価を上げる努力が実るまで待つしかない。
 こういう状況だから、まず市場協会と生産協会が物日に向けて国内の生産状況と需要動向を話し合い、業界全体にその情報が伝われば良いと考えている。
 
 21世紀に入って単価が落ち、経費が上がって利益が少なくなった。今まで一人良かった輸入会社も皆良いとは言えなくなった。こうなると、売上げと利益を決めるのは3つの要素だから、景気はプラス方向、業界は今のところ利が薄い状況、最後に戦略。これが各自の持ち味で、この戦略でボトムラインをプラスにして消費税の値上げに備える。ここに今、成長への勘所がある。

投稿者 磯村信夫 : 2013年9月 9日 15:50

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