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2013年10月21日

利益は酸素に同じ

 今週は週中、台風27号がやって来るので、被害を心配している。26号で亡くなられた伊豆大島の五味さんは、30年前から大島の特産の切花であったブバルディアの栽培農家で、他に枝切りのフリージアや千両も作っており、大島でも有数の花き生産者であった。
 五味さんの他にも被害が甚大な方も多く、天の恵みを受け行うのが農業なので、農業者の皆様方のやるせなさは如何なるものか。ただただお見舞い申し上げるしかない。
 伊豆大島と同様に、カラーで有名な千葉県の君津でも甚大な被害が出た。いずれの地域もしっかり利益を出し、それを再投資し、時代の要望に答えて進化してきた花き生産者が多くいる地域であるだけに無念でならない。今後の復興の為、花き市場として出来ることは何でもしたいと思う。

 ところで、話は変わるがもう一月で12月。暮れの需要を前にして、花き業界で一緒に仕事をして行く為、事業体の健全経営について再確認の意味で話をしておきたい。
「組織体にとって収支を合わせる。」そして、その「利益とは私たちにとっての"酸素"と一緒なのだ。利益が出なければ本来の事業活動の目的であるお取引先に喜んでもらい、お取引先の数を増やすことは出来ない。」
「組織である夫婦、家族、NPO法人、株式会社も全ての組織が帳尻を合わせる。投資の為の或いはメンテナンスの為の利益を出すということは最低限のことだ。」
「商売であれば、お客様から利益をいただく。NPO法人であればお客様から利益をいただかないが、寄付という形で活動資金をいただく。そして経営理念の実現と収支を合わせる。」ここが出来ていない花き生産者や流通業者、小売業者がまだ多くいると思われるので心配だ。

 2007年サブプライムローン問題、2008年リーマンショック、2011年3.11、そして2013年3月末の金融円滑化法打ち切り、来年4月からの消費税3%アップ。このような文脈で企業がふるいにかけられている。
 日本では青果がそうしたのか、魚がそうしたのか分からないが、スーパーマーケットの支払いが遅すぎる。スーパーの業態を作ったアメリカのクローガーは、生鮮品は鮮度の度合いから担保にならないから、10日締めの5日後で支払うのを基本としている。日本ではイトーヨーカ堂は設立当初からこのサイトだ。また、オランダの花市場では、農協系のラボバンクに預金残高がなければ買うことすら出来ない状況だ。
 もう一度言わせていただく。組織体にとり利益は目的ではなく、必要不可欠なものであることをしっかり認識していただきたい。
 この12月と来春の消費税値上げの時、消費減退の可能性がある。その波を乗り切っていきたいと思う。

投稿者 磯村信夫 : 2013年10月21日 11:41

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