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2013年11月11日

花持ち保証販売は、不満を少なくする販売方式

 先週の土曜日、アップル社の創立者であるスティーブ・ジョブズ氏の映画を観た。パソコンはずっとアップルで通してきたから、初期の頃、またマッキントッシュになってからもずっと愛好している。家では家内もマックを愛用している。スティーブ・ジョブズ氏は、徹底的に顧客志向で私たちの生活が豊かになる為にモノやコトをイノベーションしてきた。

 そして昨日、夕飯は鍋物にしようというので、生鮮品の品質が大森一だと思っているスーパーマーケットで買い物をした。
 しかし、そこで買ったうちの一つ、キノコのセットが、そこの店らしからぬ鮮度だと家内は言うのだ。これから家内は買い物をするとき、失望しないように疑いの目を持って吟味して買い物をするようになるだろう。
 
 以前、このコラムで書いた「不満要因と満足要因(※)」を思い起こした。
 昨日のキノコの鮮度は、「不満要因」だった。価格はともかく、そこの店と私たちとの人間関係が崩れたのだ。一方、アップル社は、iphoneにしてもipadにしても、自分の生活インフラを情報の面から支えてくれる。格好良いし、自分のライフスタイルもスマートになった気分だ。気分だけではなく、少し自分を律してスマートに生きることが出来る。これは、大きな満足だ。

 そういえば、大田花きの品質カイゼン室で、花持ち保証販売を随分前から行っている屋号「オランダ屋」(株式会社ブルーミスト)の蓑口社長にお話を聞かせてもらったことを思い出した。

「花持ち保証でお客さんが増えるのではありません。花持ち保証は不満を少なくさせるものです。ですから、皆が行えばお客さんは当然だと思うでしょう。しかし、我々はもっと沢山の人に花のある生活をして欲しいのです。そうなると、もう一度、満足してもらうことを考えなければなりません。」
 
 彼はそのようなことから、潜在需要を顕在化させる為、「試飾」を思いついたのだ。花持ち保証販売は、性善説の立場を取る人が多い日本人の不満を少なくすることを目的に展開されている販売方式であって、決して優先的に店を選んでもらおう、その花を選んでもらおうという方式ではないことを確認して実行してもらいたい。
 ただしスーパーマーケット等では、売れ残りが少なくなるという意味で、有効な販売方式であることを付け加えておく。


(※)フレデリック・ハーズバーグの「二要因理論」
不満要因①給与 ②対人関係 ③作業条件
満足要因①達成すること ②承認されること ③仕事そのもの

投稿者 磯村信夫 : 2013年11月11日 11:31

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