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2014年3月 3日

卸売市場に要望される仕事

 2月の最終日、築地市場からの移転が決まり、土壌汚染処置も済んだ豊洲新市場で、鍬入れ式が行われた。青果市場と水産市場が移転し、卸売市場に隣接して賑わいゾーンも建設される。
 水産においては、世界最大の卸売市場の移転とあって、今後の発展が期待されるところである。水産の卸売場の設計は分からないが、青果については鮮度保持が出来る密閉型の市場となっており、場内に仲卸や買参人が使う小分け作業所やカット野菜の調整所などがある。
 農政ジャーナリストの小暮先生の言葉を借りると、卸売市場の役割が量と質の調整、産地にとっての生産・販売コストの削減と流通加工、更に安定したサプライチェーン作りと販売事業の人材育成等のニーズを満たすことの出来る卸売市場になって来ているのが分かる。2月28日のこの日、「市場流通ビジョンを考える会」(東京農業大学 藤島教授主幹)の研究会が開催されたが、農政ジャーナリストの小暮先生と卸売市場政策研究所代表の細川先生から、生き残る卸売市場を教えていただいた。
 
 鮮度保持物流、ピッキングと付加価値加工、仲卸と仲良くし、産地・販売のお互いの得意分野で協業する必要性、新しい食味や花飾りに必要な野菜・果物・花の開発と物流、これらが社会から求められる卸売市場の役目である。これら以外に小生が考えるのは、産地の連作による忌地現象を少なくする為、青果市場と花き市場が共に組み、その産地の輪作体系の中に野菜と花を入れてもらうこと。
 また、産地フェアーを一緒に行い、そのスーパーマーケットで、その産地の特産物である青果と花と一緒にプロモーション販売すること。卸・仲卸とも青果市場と協業して行くことは、中央市場や公設総合市場の役目だと考えている。これらを仕事のネタとして行っていくことが欠かせないと思う。
 
 また、よく直売、直売と言うが、直接産地が販売することはそんなに簡単なことではない。営業マンも足りない。なので、卸売市場(卸・仲卸)が直売の代理人として産地の販売をする必要があるのだ。
 現在、花の取り分はこのようになっている。平均値にて小売価格に対し、小売りの取り分はロスやリベートもあるので、60パーセント。卸・仲卸で小売価格に対し5パーセントの取り分。35パーセントが生産者の取り分となっている。生産者にとって卸売市場に販売代理をさせるとコスト削減できる。そして、卸売市場は更に仕事を深め、小売店がロスやらリベートを必要としない売れる花を消費者に供給すれば、小売りの必要経費も少なくて済むので、結果として生産者の取り分は増えてくる。これは、大田花きが最もやりたいことだ。皆がハッピーになる儲かるやり方だと思う。マーケッターとしての卸売市場は新商品開発にしのぎを削って産地に提案していく必要がある。これも卸売市場の大切な役目だ。

投稿者 磯村信夫 : 2014年3月 3日 16:26

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