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2014年3月17日

『花き振興法』に合わせ振興するには

 20世紀の間、花き業界は成長過程にあったから、団塊ジュニアの世代を中心に順調に良い人材が集まっていた。21世紀に入ると、花き業界も地域間格差が出てきて、新入社員の定期採用をする企業の数は減った。
 安倍政権になってインフレターゲットを設定し、他の先進国と同様に経済成長を行おうとしているが、経済界においては、日本の企業として最後の再生の時だと言わんばかりに俄然と再構築を行い、この3月期には企業の生き方に方針が立って、政府に呼応して久しぶりのベースアップやら賃上げが行われている。
 花き業界が従来のままだとすると他の業界と賃金格差、人材格差が出てきてしまうことが有り得る。それでは花き業界は置いてきぼりを食ってしまう。各事業体は苦しいかもしれないが、労働分配率を上げて、働く人の不満を少なくしてもらいたい。
 
 日本は今後とも貿易赤字は続くが、国際収支は黒字になるという。工業・金融業では、明らかに海外投資型になっている。優秀な人たちが日本にいて、(必ずしも日本人とは限らないが)新しいモノや今迄の産業でも切り口を変えて、新しい角度から事業を行っていくことになる。
 安倍政権の第3、第4の経済成長分野は、いずれも政府が深く関わっている分野だけに、面映ゆい程結果が出ていない。それらの分野は環境エネルギーや医療介護、アンチエイジング、そして農業の分野等だが、これらはいずれも構造改革が必要な分野で、成功するにはストーリー性のある戦略が必要である。

 農業分野の一つ「花き」をとってみても、今後の活性化の為、どう花き振興法を生かせるか考えたシナリオ作りが必要だ。種苗から生産、小売等の各団体がそれぞれ再起を期して頑張るといっても、バラバラでは今までとあまり変わらず、せいぜい横ばいか、場合によっては縮小するかもしれない。となると、文化から商売までの花きに携わるものの、どのようにストーリー性を持って発展させるか、再度戦略を立てなければならない。

 大田花きでは"創って作って売る"で種苗、生産から仲卸、小売店までをパートナーとして、チームを組んでいるが、これだけでは少し足りないような気がする。
教育(すなわち花育)が重要なのはわかるが、もう一度今の戦略を練る為に都市緑化や公園緑化だけではなく、庭やオフィス内の緑化などを目指して既存の業界団体を網羅する一つの大きな持ち株会社、ホールディングスのような団体が必要で、そこの一段上の協会がストーリー性をもった戦略を立ててそれぞれの団体におろすことが大切ではないかと思われる。次に構想を練る時、少なくともこのようなスケール感でシナリオを考える必要がある。

 農業分野では政府の方針があるが、それは主に大規模化と輸出面に関することが多い。花の場合には、基本的には民間活力、我々が共に意見を出し合って、花と緑を沢山使って貰えるようにすべきである。それは花は心の生鮮品だからだ。その為には、全国花き振興協議会プラス、花き文化の伝承組織等が全て入るホールディングス的な組織が必要だと思うが、如何だろうか。

投稿者 磯村信夫 : 2014年3月17日 12:34

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