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2014年4月 7日

難しくなった花の宅配便と花き輸送

 イーコマースが増えて、大型家電販売店やセブン&アイホールディングスなど、オムニチャネルに力を入れている。今後とも益々物流と電子決済の役割が重要になっていくことだろう。

 羽田から成田までの間に、ロジスティックセンターが多く建っているが、それ故、中で働く人を集めるのも大変で、コストが上がってきた。運転手も人手不足。
 花のように、横に倒せないものや規格外の大きさのものは、容積塞ぎで手間がかかる為、運んで貰えれば良い方で、運賃はこの夏前から更に高くなるのではないかと言われている。専用物流であればまだしも、一般貨物と混載する場合、横に倒したら水が出てくるなど、言語道断。バケツ輸送や段ボールの中に、トレイを置くだけで倒したら水が出るような輸送は、台車輸送をしない限り、専用輸送でも今後別運賃を払わなければ難しくなるのではないかと思われる。

 飛行機の場合、LCCが増えたり、燃費効率から機材が小さくなり、航空貨物の容量が減ってきたので、トラック輸送に頼らざるを得ない。トラック輸送で、飛行機より一日遅れで届けるにしてもチャーター便となってしまう。こうなると、満載ならともかく、少ない荷物は割高だ。
 
 かつては、国内で物を作って日本から輸出をしていた。グローカルの時代となり、そこの国で消費するものはそこの国で作ることが企業の正しい生き方となる。そうなると、地方の県庁所在地でも、大工場が少なくなって地域のGDPは減ってしまった。
 もう以前よりも高く買えなくなっているところに運賃の上昇が起こるとなると、個別の小売店や、仲卸が荷の集まる消費地から別々に買い付け集荷を起こすと言っても、その分の負担金を消費者に負って貰うわけにはいかない。なので、運賃の面から、地方は荷揃えをする為にもグループ化するか、合併をしなければならない。

 生産、出荷サイドの農協の広域合併は更に進んでいる。全農の財務体質与信の基準に合格する卸、仲卸や取引対象企業はそうは多くない。大型JAは出荷先を絞らざるを得ない。
 そして、運転手は少なくなり、運賃は上がっていく。温度設定が出来る車やパワーゲートが付いた車への買い替え要求など、鮮度保持、物流効率化に対する要望はますます高くなって、車代は上がっている。運送店として、確実に利益を確保する為には、復路にも荷が確保出来るところでなければ運べない。高速道路のETC特割も少なくなってきている。

 こういう状況下になると、ついこの間まで自由に宅配業者が使えて、時間指定やら集金もしてもらえた。個数が少ないのなら、規格を合わせてしっかり荷作りをすれば、日本中どこでも飛行機で送れた。今から考えると、日本の花の輸送はBtoBにしても、BtoCにしても、荷主にとって我儘のきいた理想的な配送システムであった。
 これが、ヨーロッパと同じようになってきた。花の場合には、立箱や規格外の大きさのものがあるとなると、これからどうすれば良いのか分からなくなる。

 まずは、独自の物流網を持っているところが力を持つ。花のプレゼントならJFTDであろう。2014年度はまったく違うことを前提に、花き業界各自の物流網をもう一度考えておく必要がある。
 我々花き業界はBtoBとして、産地のハブ・農協の配送センター、消費地のハブ・卸売市場のインフラを今後とも発展させて行く。

投稿者 磯村信夫 : 2014年4月 7日 16:15

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