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2014年5月 5日

世間では倒産件数が少なくなってきたが・・

 5月11日(日)は母の日。和歌山県農殿(経済連に相当する)、JA紀州殿が中心に行っている「母の日参りキャンペーン」(亡くなったお母さんの為に母の日にお墓参りをする)でスターチスや菊の動きが良くなって来た。潜在需要を顕在化できつつあるのは有難い。

 さて、金融円滑化法の期限が2013年3月31日で切れて1年少々経つ。その間、大田市場の仲卸が破産申請をし、1件の地方卸売市場が同様に破産申請をした。それ以外にも、経営が大変という噂のあるところは少なくなく、20世紀と変わらない仕事のやり方をしているところは、花も当然のように篩に掛けられ落とされていく。
 東京の場合、中央卸売市場には仲卸がいて仲卸の競争力=卸の競争力であるが、卸は仲卸とどのような形で協業を図り、大田市場なら大田市場としての他市場に対する競争力をどう図っていくかを検討して行かなければならない。話は戻るが、資金繰りに悩んでいる花き業界人は多い。それは、91年バブル経済が崩壊した後も花き業界は順調に伸びていて、"八百屋さんのポケットの法則(※)"を守らずとも、どうにか仕事をやって来れたからだ。
 
 21世紀に入り、銀行の金利が0になるくらい各企業はお金を返済に回し、内部留保に努めてきたのだが、花き業界はピークが20世紀末だったので、まだまだ"八百屋さんのポケットの法則"を守らずとも事業運営が出来たのだ。
 資金繰りに困った小売店でこういう人もいる。市場で仕入れる場所が卸・仲卸と2つあるから、仕入代金を卸で溜めて取引ストップされた場合に仲卸で購入して卸に支払う。卸でまた溜めて仲卸で支払う。市場と市場との間で、行ったり来たりしながら溜め込む人もいる。いつの時代もこのような人はいるが、現代社会においてカードローンを組んだりする個人はいても、事業を営む者には現在ほとんど見られなくなった。経営者失格はほとんど退場させられたのである。しかし花き業界にはまだいたということである。

 出荷者と卸との取引は勿論のこと、卸と仲卸、仲卸と小売店、運送店との取引も同様である。取引先と決算書の交換による相互信頼の上に契約を結んで取引しよう。
 気配では、いま少し業界では倒産が増えそうである。

 (※)"八百屋さんのポケットの法則"
 なぜ八百屋さんの前掛けには2つのポケットが付いているのかという話。公私混合させない為、一つは売った代金で、預かり物の仕入れた代金で市場に払うお金を入れるポケット。
 もう一つは、アルバイト代や自分の給料、お店の家賃などに使えるお店のお金。しかし、まだ利益ではない。利益を含むお金を入れるポケット。売上げを二つに分けること。

投稿者 磯村信夫 : 2014年5月 5日 12:15

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