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2014年5月12日

例年並みの需要に戻った母の日

 5月12日(月)今日のセリ場は、母の日疲れでセリ参加者は少ないのではないかと心配したが、普段の人数以上の買参人が朝一から参加している。小売店各社は予想した範囲の母の日の売上げであったし、今日から初夏の装いに店も品揃えを変えて行く必要があり、仕事を前向きにやって行こうとする意欲が感じられた。

 東北地方では、今年の母の日が11日であったことから、3.11と同じ11日なので、お墓参りに行った人も多かった。菊とスターチスを手向けた人ばかりではなく、カーネーションを手向けた人もいて多彩であったという。首都圏では、2011年3月11日から、4回目の母の日となった。思い起こせば、11年の3.11直後から、一ヵ月間花どころではないと感じた人が多く、お彼岸の需要期であるにもかかわらず価格が低迷した。

 GWの前くらいから、少しずつ国民の気持ちも自分の仕事を通じて被災された方たちやその地域に役立とうとした。自分の楽しみの為に使うお金も東北の人たちに使ってもらえるような気持ちになり、家族や友人たちの絆が大切なことを改めて感じた。母の日前から花の相場は、従来の相場に戻って行った。
 
 翌年の12年には、GW中の日めぐりの問題もあり、例年並みの母の日需要であった。13年はGW中の日めぐりの問題やお母さんに何か贈ると孫の誕生日プレゼントや服などを倍どころか3倍以上になって返ってくること、また地縁・血縁の「絆」の価値の高まりと伴に地元のお花屋さんで購入する人が多かったこと。また、「絆」の大切さから浮動票的な人も花を購入し繋がり消費のピークとなって3.11から3年後の母の日は燃えた。

 そして本年は、新年度になり"3.11を忘れるな"とメディアで呼びかけても自分なりに贅沢にお金を使うこと、またそのような時を過ごすこともそれなりに悪いことではないという雰囲気から、絆消費分の花のプレゼント量は減ったと思われる。それはピークから減っただけで、11日の昼前のラジオでもお花屋さんに花を買いに来た消費者に質問する等、母の日のアイテムとして定番のカーネーションを中心とした花は広く国民の中に浸透している。その売れ行きは例年通りの母の日需要に今年はなったと見て良いだろう。どのお花屋さんでもカーネーションやバラの切り花、或いはカーネーション、アジサイの鉢が母の日のプレゼントとして良く動いていたように思う。

 日本花き卸売市場協会では、カーネーションとバラの切り花の母の日向けの生産重要予測と鉢物ではカーネーション、アジサイの生産需要予測の会議を3月、4月とそれぞれ行い、そこで話し合われた通りの数量であったが、市況は昨年が絆消費で良かったものだから、それと比べると消費者から早めの予約がなかったので価格は安くなった。
 例年通りの形になったので、来年は小売店は積極的にGWに入る前にも受注を取るようにすれば良いと思われる。生産と需要のバランスは、やや生産が多いだけであったが、花き流通業者が楽観的に需要予測をしたので、期待が大きすぎた分だけ裏切られて、相場が下がったと見るのが適切だろう。

 団塊ジュニアの消費者があてにする花売り場の場所は、前年の地縁の絆の価値が薄れた分、(60歳代以上は、地元主義は変わらず強くなっている)駅周辺、通勤途上や活性化している商店街、そして量販店に限られたが、そこのお店は来年もまた母の日は忙しいはずである。
 しかし、母の日プレゼントを他業界に流れないようにするには小売店での積極的な母の日PRを4月中からしていくことが欠かせないことは言うまでもない。

投稿者 磯村信夫 : 2014年5月12日 12:40

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