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2014年6月 2日

花店はB to C良し、B to B横ばい

 第一四半期も残すところ後一か月。消費税が上がって青果や花の売れ具合はどうであったか。
 生鮮品の売り上げの中で、野菜・果物・切花、鉢物を比較してみると、"みかんの花咲く丘"、"リンゴ追分"でヘビーユーザーが戦中派と初期の団塊の世代の人たちが中心の果物が苦戦。
 次いで、ヘビーユーザーの年代が50歳以上の花が振るわなかった。人口が多い団塊の世代も60歳以上になり、団塊ジュニアも40歳以上となって、健康をいよいよ考えるようになってきた。なので、果菜類・軟弱野菜は消費税率上げでも然したる影響は受けていない。

 では、花の小売店では、どのような状況だろうか。全国の仲卸業者で花束加工をする人が多く、彼らはもともと出身母体が花の専門店だったので、花のことを良く知っている。そのようなわけで、納品先の量販店の花は良く売れている。
 ただし、ロス率ばかり気にしているスーパーは、持ちの良い仏様の花しか置かない売り場となり、つまらなくなってお客さんに相手にされなくなっているところがある。

 専門店は二極化して来ていて立地条件に関わらず、やる気のある専門店は売れているが、やる気のない専門店は、淘汰されていくと思われる。縮小している小売店の数が少なからずあるので、卸売市場としてゾッとしているのだ。頑張っている花の専門店はいずれも前年より10%は良い。B to Cの流れは(ビジネスから一般消費者)は期待できるのだ。

 花店でも、B to Bの事業は決して楽観視出来ない。B to Bとは結婚式、披露宴、葬儀の花などを業者に納めているところだ。競争は益々激しくなっており、今までよりもバックマージンを余分に要求される花店も出てきた。花の売れ具合は、B to Cは上昇、B to Bは横ばい。
 ただし、業界全体からしたら、一般小売店がスーパーマーケットの花売り場によって淘汰される局面にあるので、ちょうど地震の構造のように花き業界のプレートは下へ潜り込んでいる。エスカレーターで言えば、下りのマイナス5から10%位のものに乗っていると言えるだろう。
 このような中、通称"フラワー振興法"が国会を通って予算付けがなされる。勿論、国の為にも花き消費を、花き生産を、業界を挙げて盛り上げて頑張るが、実際に効いてきたなと実感できるのは、2016年の後半から2017年に入って、今から3年くらい経ってからだろうと思われる。それまで、ふるい落とされないようにしながら経営をして行かなければならない。

投稿者 磯村信夫 : 2014年6月 2日 12:58

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