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2014年6月16日

縮小の向こうに

 "イエローリボン"の黄色から、父の日には黄色い花をプレゼントしようと、黄色のバラや向日葵を販売するようになった。切花だけではなく、鉢物を取り扱う生産者や市場は、父の日には観葉植物のプロモーションをした。首都圏の花店では、父の日に向日葵のプロモーションを行うところが最も多く、昨日15日の午後はお天気が良かったこともあり、父の日のプレゼントだけではなく、普段の家庭使いでも向日葵が良く売れていた。

 花はさまざまな物日があり、商品からしたら幸せ者だと思うが、商店街の花店では昨日の15日、父の日も日曜日は定休日だからと休んでいる所も多くあり、残念に思ったりもした。

 地縁・血縁が薄くなって結婚式や葬儀の規模が小さくなっている。小さければ小さい程、サービスは良くなり価格が下がって行く。1日、15日の榊や仏花の需要も少なくなってきたので、家庭需要や新たなイベント需要を花き業界では増やして行こうとしている。また、日本の花き文化を継承する為に花育活動を本格化したり、自分を極める為のお稽古ごとに年配者でも参加してもらえるよう、華道教室やフラワーデザイン教室をより盛り立てようとしている。

 今花き業界で言えることは、やる気のあるところとないところ。繁盛しているところと衰退しているところで分けて二極化と言っているが、それは二極化ではない。質の高いテイラーメイドの花や緑を供給する場と、システム化され同一品質のものが供給される切花や鉢物、或いはアソートされたものを提供する場。このような例えて言えば百貨店とスーパーを二極化と言う。今はまだ未分化でその手前であって、繁盛する衰退するということを二極化と言っていることを花き業界は認証するべきである。専門店の花と言ってもどれくらい個性的なのであろうか。卸売市場と言っても考え方によりどれくらい生み出すサービスが違うのであろうか。50歩100歩の違いなら結局価格競争になってしまう。
 しかし、そうは言っても価格競争から脱している小売店がいて、それらの店舗はいずれも地元に立脚し地元の個性に合わせた専門店だ。そういう専門店の仕入先として地元文化に市場が合わせれば価格以外の競争が卸売市場で出来て、地域特有豊富な品揃え、特徴的な市場となる。こうして取扱量の大小に関係なく小売店や卸売市場は生きて行けるし、社会的に存続の意味を見出せる。今花き業界はここに向かって二極化しようとしているのだ。

投稿者 磯村信夫 : 2014年6月16日 14:35

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