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2014年6月23日

例え小さくとも「会社」の時代になったのである

 先日、小売店の二世の方々との勉強会で人手の話題になった。日曜日の日本農業新聞でも福島の農業関連の方々の人手不足について記事があったが、今まで家族だけで仕事を回せるようにしていたのを、ここにきて人を雇って教育し、お客さんの立場にたって物事を考えられるように戦力にして更に社業を発展させる。このような考えを持つ小売店が増えてきた。逆に言って、このままではお客さんの要望に応えられず、お店が駄目になってしまうという危機意識を持ち始めている。これは生産者も一緒だ。定期採用とまでは行かないまでも、2年に1回や3年に1回は、農業関係の高校から大学、或いは専門学校から採用して行きたいという希望がある。 

 小売店の方々と話していると「なかなか気の利いた人がいない」というが、そんな時にまず「人に親切にしなさい」ということを言って実行させては如何だろうか。親切にするということは、必ず相手の立場で考える。相手にこういう風にしたら喜ぶだろうということを自分で考えて実行する。この癖をゆとり教育や電子ゲームで育った世代に習慣化してもらう。仕事はお取引先にお役立ちをすることだから、相手の立場にたって物事を考えられない人が仕事の役割を果たせるわけがない。結局自己都合の品物やサービスを提供しておしまいだ。これでは商売にならない。まず親切から始めようというのだ。

 こういう残念なこともある。お客さんに喜んで貰う為に、相手の気持ちがわかるようになって技術を磨いた社員が辞めたり、花店として独立していったりすることだ。卸や仲卸であれば、お客さんを連れて他社へ移ったりすることもある。結局、その会社が厳しいけれどもやりがいがある良い会社でないとそういうことが起きてしまう。良い会社であれば多少は防げるか辞める人は少ないだろう。
 日本も花き業界だけではなく、ほとんどの現場仕事で人手不足感が出てきた。私ども卸売市場においてはトラックの運転手さん不足が直接的に影響が出ている。九州や四国の産地が関東地方まで出荷しているところは少なくなってきた。また、東北、北海道地方で関西地区まで出荷しようとする産地もそうは多くない。いずれも運賃高とトラックの運転手さん不足から来るものである。

 良い人に来てもらい仕事をしてもらって応分の対価を払う。花の流通業者として高い理想を持った会社が多数ある、そういった花き業界にしなければならないと小売店の勉強会で痛感した次第である。

投稿者 磯村信夫 : 2014年6月23日 12:28

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