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2014年10月20日

お見舞いの花は何ら問題なし

 残り十日となったのに、ハロウィーンのカボチャはまだよく売れている。団塊ジュニアとその子供たちが中心になって、ハロウィーンは盛り上がりを見せているようだ。また、大人の部でも、六本木だけでなく鉄道会社もハロウィーンの仮装をしたイベントを開くという。ハロウィーンでカボチャと似合うのは、黒の花だ。チョコレートコスモスや、色の濃い紫のササ系リンドウ等、紅葉の花に合わせて生けるとハロウィーンのムードが盛り上がる。来年のこの時期は、さらに多くの黒系の花を流通させたいと思う。

 さて、九月の下旬から十月に入り、新聞やテレビ、ラジオ等で話題になったのが、お見舞いの花についてである。病院で切花や鉢植えの植物を禁止にしている所があるのだ。一般社団法人日本花き卸売市場協会の会員である(株)なにわ花いちばの大西社長は、どの位受け入れ拒否を行っている病院があるか調査し、その実態をまとめて公表したのだった。それによると、2005年の大阪の新聞で、切花の花瓶の中の細菌が感染源になるリスクがあるとの記事から、特に大阪では四割もの病院がお見舞いの花を院内に持ち込みさせないようになっているそうだ。私は、某ラジオ番組で、切花や鉢物を病院で飾ってよいか、飾らないべきかのトピックスを聴いたが、何かリスクがあるような事でその話題は終わっていた。患者さんの気持ちに対して、もちろん花き業界の私からしても、何か私たちの気持ちに反しての終わり方だったように思う。そこで、正式に大田花き花の生活研究所が出している見解をここでお話ししたい。

 大田花き花の生活研究所の見解として、大阪で新聞の記事になる前の2003年、アメリカ疾病予防管理センターの≪医療施設における環境感染制御の為のガイドライン≫によると、「移植患者や重症エイズ患者の病棟以外であれば、制限は不要です。」「免疫不全が無ければ、花瓶の水や鉢植え植物は感染源にはなりません。」という正式コメントがある。医学は絶えず発展途上だが、その後、花瓶の水や鉢植えの中の土に存在する菌が原因で疾病を招いたという事実は、2003年以降も、現在もない。

 心身共に病んでしまった時、花はその人を見舞う。水の取り換えや水やり等、あるいは、枯れてしまった花の処分や手入れ等、切花も鉢物も生き物だから、面倒なことはあるだろう。しかし、安房鴨川の亀田病院では、青山フラワーマーケットさんに是非とも院内にショップを開いて欲しいとお願いし、井上社長はショップを作った。買わなくても、院内にある青山フラワーマーケットさんのショップの前を通るだけで、見ていて気持ちが和み、素直な気持ちになる。病気を良くしようとする意欲がわく。ぜひとも、特別な病棟を除いて、お見舞いの花やロビーでの観葉植物等、日本中どこの病院もホスピタリティをもって、花を受け入れて欲しいものである。

投稿者 磯村信夫 : 2014年10月20日 10:56

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