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2014年12月 1日

だたいま4回目のスランプ中

 この二十年で、4回目の消費後退劇が花き業界で起こっている。一回目は、1999年から始まったサラリーマン世帯の所得の減少で、特に法人需要が減り単価が下がった。この傾向はデフレと言われ、花き業界では未だストップしていない。二つ目は、2007年のサブプライム問題、2008年のリーマンショックにより高額所得者も節約ムードとなった結果、切花・鉢物ともに消費量が減り、単価が下がった。特に鉢物業界ではダメージが大きかった。三つ目は2011年の「3、11」で花どころではない状況が、お彼岸の需要期の最中に起きた。卒業式等も延期され、春だというのに約一か月間、全くと言っていい程花が売れなくなった。しかし、"絆"消費で母の日から回復に向かった。そして、第4回目の2014年4月、消費税が上がると共に消費が低迷し、特に10月以降は3、11の復興でお金が入ってきている仙台地域でも消費に手ごたえがなくなった。今回の場合は、消費税を転嫁出来ない程販売に苦心している街のお花屋さんがいること、生産・小売ともに花き業界人の高齢化が進み、また、21世紀に入って研究開発が資金的にも人材的にも出来なかったことによる構造的な花き業界の不振が原因である。

 業界の誰と話しても、「真綿で首を絞められているようだ」と言う人が多い。その原因として、商品開発と時代に合った売場作り(インターネット販売も含め)、そして販売方法、話題作りにある。消費のターゲットを高齢者に置く一方、団塊ジュニアにも狙いを定め、時流に合ったおしゃれな花を買ってもらおうとする努力が必要である。それだけ分かれば、各県の各振興協議会で頑張ったり、「花の国日本協議会」のように、マーケティングや上手な業界組織に資金提供をしてやってもらう事が近道であろう。

 日本も花き業界も成熟化してきて、面白がる人が少なくなってきた。花き業界がここまでこれたのは、育種・素材付加価値生産・目利きの評価・スピーディーな物流・技術とセンスで商品化・売り場つくりを時代に先駆けやってきたからだ。何も難しいことをやろうと言うんじゃない。これら取引先や消費者を驚かせたりしながら、今まで面白がってやってきたのをやろうというのだ。おんなじことをやるんじゃない。何か変わったことをやって、社会から「花屋さん(花き業界人)は時代の鏡」「花屋さんは未来の占い師」と言ってもらえるように我々は面白がってやってゆこう。ずいぶんと余裕はなくなってきたが、それでも面白がってやってゆこう。そうすれば消費は必ず付いてくる。

投稿者 磯村信夫 : 2014年12月 1日 11:21

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