大田花き 大田花きコーポレートサイトへ
 

« フラワー・オブ・ザ・イヤーOTA 2014 | トップ | 成熟社会の仕事のやり方をする »

2014年12月15日

寒波で相場戻る

 衆議院議員選挙が終わった今朝、胡蝶蘭が沢山出ていた。また、通常の切花・鉢物は今週から荷動きが普段の年の瀬に戻っていくと思う。なにせ、ディナーショーや、少しお値段の張る赤坂や銀座での交際費を使った忘年会等が、衆院選のためここ二週間本当に少なかった。それが今週からあるのだ。

 先週の12日(金)から、花も青果も単価が上がった。それは、需要が少なかったよりもさらに供給が少なかったからだ。これから3月までの基調をいうと、石油価格が高止まりして、円安もあったので、作付けが少ないのだ。まさか、この12月の初旬、ニューヨークの石油先物価格が1バーレルあたり60ドルはじめの安値を付けようとは予測出来なかった。石油輸出国機構(以下、OPEC)がアメリカのシェールオイルにシェアを奪われるのを嫌がって、価格が下がっても減産しない決定を出すとは思わなかった。「アラブの春」で危機感を持った産油国は、いずれも国民の生活の質向上の為に、国家支出を引き上げてきた。従って、サウジアラビアでもアメリカ同様、ペイラインが1バーレル当たり80ドルを少し超えた所と言われている。いつのまにかアメリカは、シェールオイルで世界第2位の産油国になってきた。カナダまで含めると、その影響は大きい。

 そういった最中のOPECの減産措置見送りである。こうなると、石油価格は今後そんなに高くならないと予測される。私たち花き業界では、良い花を作る為には、冬場、油を焚いて温度を保つことがどうしても必要だ。それは、漁師の巻き網漁船と同じ比率で油代がかかる。漁師さん達が石油代の補助を訴えデモをするのと同じ状況が、冬場の花き業界にあるのだ。現在、油代が下がってきたといえど、作付けを予定していなかったこの冬の花は、生産量が去年に比べてマイナス幅は1ケタ代だが明らかに少ない。また、今年は9月に涼しかっただけで暖秋であったから、前に回ってしまった花は山形のストックだけではない。

 需要はまだだが、本格的な暮れ相場に本日15日から突入と言ってよい。エルニーニョの発生が75%の確率で確実視されているが、偏西風の蛇行が例年とは違い、寒い雪の12月を日本は迎えている。そして、雪による延着・未着を考えると、早めの仕込みが安全である。一定量を押さえておきながら鮮度管理をし、28、29、30日の三日間に消費者へお正月の花を届けてもらいたいと思う。

投稿者 磯村信夫 : 2014年12月15日 17:37

Copyright(C) Ota Floriculture Auction Co.,Ltd.