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2015年1月 5日

デザインし、素材を流通させる

 新年明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。

 1月3日にも書いた通り、デザインされた花束が昨年末は良く売れていた。ご年配の方々がサラダやカット野菜を好むように、花も手間要らず、さらに、自分では普段やらないデザインであったり、普段使わない花が入っていたりで新鮮な感じがして、買っていかれているのだろう。また、30、40歳代で松や千両の使い方が分からない方も、デザインされた花を買っていかれた。小売店やスーパーでも、もちろん、専門店でも、4、5千円のデザインされた高価な花束が売られていた。花のある生活を提案することは、デザインされた花束やアレンジメントにある。というのも、消費者がこれを欲しているからだ。

 話は変わるが、少子高齢化で人口が少なくなっている日本において、消費を増やすことが出来る農産物は"花"である。しかし、ミドル世代があまり花のある生活をしてくれないので、ヨーロッパやアメリカと違い、日本の花き業界は下り坂にあると言われていた。人生もそうであるように、下り坂もあれば、上り坂もあり、"まさか"もある。年末の菊類の相場でも、下り坂だと思っていたら、猛然と急反発し上り坂になった。急反発があったり、じわじわと上がっていったり、品目によって様々な上がり方がある。

 消費税増税で消費が振るわず、昨年は単価の上昇が期待出来なかった。今年は長さやボリュームの足りない品物であっても、花持ちが変わらない限り、手頃な大衆品として上手に花束にしたり、アレンジにしたりして買って頂く。鉢や苗であれば、寄せ植えの素材として流通させ、花屋さんや消費者の方に寄せ植えをデザインしてもらう。そういう風に無駄をなくし、単価を上げていけると思う。

 市場の仕事も、デザインされた"モノ"、それは花瓶にしても、広い空間デザインにしても、はたまたインドアプランツにしても、いずれも花のある生活文化をデザインし、素材を流通させていく。それによって、消費と生産を拡大する。そういった仕事のやり方をやっていくのが卸売市場の役割と肝に銘じ、邁進していきたいと思う。

投稿者 磯村信夫 : 2015年1月 5日 14:22

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