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2015年3月16日

同一労働、同一賃金

 日本の小売流通業は2月末の決算がほとんどだから、3月下旬に株主総会を開催する所が多い。胡蝶蘭のお届けや会場でのスタンド花等、結構需要があるようで、離任式や定年退職の花束需要と併せて、オフィス街の花店は忙しい日々となりそうだ。

 また、今週の水曜日18日は彼岸入りだが、私はお中日に墓参りに行くことにしている。入りと明けの両日に墓参りに行く熱心な人もいるようだが、若い人達はお中日だけがお彼岸と思っている。お彼岸の意味、そして、入りと明けがあることをきちんと伝えていきたい。

 さて今日は、年度末なので、人事異動や給料についてお話する。公正であること、フェアであることが、取引所である卸売市場の最も重要な価値観だが、人事や給料を決める場合にも同じことが言える。具体的には、同一労働・同一賃金の職務給制度の賃金体系を敷くことが必要だ。例えば、上司と部下が同じ仕事をしている場合、やり方や改善方法を指導するのであれば、同じ仕事をしていても良い。しかし、それを毎日しているということは、その上司は同じ仕事をしている間は部下と同じ賃金にならなければいけないということである。長い間同じ職位にいたり、降格する人を見ていても、もっと部下の教育や取引先の説得、需要の創造等、仕事そのものの取り組みと成果を出さなければならないのに、していない、あるいは、無関心だったり出来ない人が多い。すなわち、ライスワーク(※註)になっているのである。職位に対する責任感が期待値より低いのだ。昔から同じようなことばかりやっている人がいる中で、「変わる」為に、花き市場だけでなく、青果市場も人材育成が叫ばれている。

 日本社会では、同じ業種であるにも拘らず、中小企業の社員は能力が低く、大企業の社員は能力が高い、ということがある。本当は逆でなければならない。「山椒は小粒でもぴりりと辛い」という言葉があるように、小さな会社ほど、能力が高く、特定の分野に優れているといった社員がいてしかるべきなのである。我々花市場の販売手数料は、中央卸売市場が9.5%、地方市場は10%である。従って、日本で一番取扱いのある大田花きでも、手数料を売上とすれば売上高は25億円程度の会社だ。この規模の会社は世の中にごまんとある。我々はより楽しく、生きがいを持って働き、勉強しなければならないわけだ。卸売市場の場合であれば、公正を一義に、昇級、賃金を職務給制にすることがどうしても必要だと思う。業種、仕事が同じなら会社の大小に括らず賃金は同じであることが、職務給制度だ。

 4月からは、ほとんどの日本の会社は新年度である。年功序列になっていたり、パート・アルバイトの給料が安かったりしている会社があれば、この機にさっそく直してもらいたい。


※ライスワーク
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投稿者 システム管理者 : 2015年3月16日 16:14

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