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2015年3月23日

来年度へ向けての注意事項

 今日の日本経済新聞の社説に、第十次卸売市場整備計画を睨んで、卸売市場に関することが書かれていた。鮮度保持サプライチェーンは勿論のこと、市場法による取引手法の規制緩和や、買い手・出荷者が大きくなっており、卸売市場ネットワークによる規模拡大などの期待が中心であった。

 2014年度の国内農産物は、やや生産減となった。青果・花き卸売市場の動向について、取扱金額は消費税増税もあり、前年より少し足りない所が多く、良くても前年比100そこそこの所が多いと聞いている。1999年と2004年の卸売市場取引手法の法改正により、セリと相対は同じ位置付けとなり、卸売市場は自己の計算のもとによる買付も許可された。そして、買付においては、現行支払われている出荷奨励金は適用外となる。全農県本部や経済連において、出荷奨励金は例年通り予定される収入であるので、卸売市場から支払われる出荷奨励金が無くなるというのは痛い。従って、産地側には、希望価格を言って委託出荷とし、価格を通しながら出荷奨励金の対象にしてもらうという力学が働く。

 仲卸が三分の一も赤字なのは、卸から押し付けられたから...、卸が赤字なのは、産地から押し付けられたから...、そうしないと荷姿が整わず、小売の要望に応えられないという現実がある。しかし、弊社 大田花きでは違った考え方をしている。消費者から頂いたお金から、小売の取り分を約50%、卸・仲卸で5%、運送店や農家の出荷経費で10%。そして、35%が生産者。おおよそこのような取り分でチームを組んでいると考えている。従って、値決めされた予約相対品も前日の相対品も、当日のセリ品も、全てリアルタイム、24時間インターネット上に「この産地の○○は、誰々がいくらで仕入れた」という情報を開示している。もちろん全てが見られるわけではなく、生産者や買い手は自分が大田花きに出荷したもの、買ったものしか見ることは出来ない。しかし、取引結果は24時間インターネットでお知らせしている。つまり、相対がセリと同等の取引と位置づけられた時、セリ前に品物の値段と行先が決まるわけだから、どの品物を誰が買ったか、少なくとも当事者間では分かるようにしておく。こういう透明感が必要だと弊社は判断した。このため、不透明感のある取引は弊社には無い。

 現在、花き生産を増やしてもらうよう産地に呼びかけているが、現実問題として、果菜類や葉物が増え、花き生産は良くて横ばいが本年度、来年度と続く。そうなった時に、花き市場も買付集荷や産地からの指値委託が多くなることが懸念される。市場法上、適法なら良いが、経営が圧迫されたりするのは、卸、仲卸で構成される卸売市場の信用問題となる。まず、健全経営。次に社員教育と賃金UP。3番目に売り上げを取っていく。こういう順番に現在の花き市場はある。

投稿者 磯村信夫 : 2015年3月23日 12:42

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