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2015年5月18日

大切なことは、"してはならないこと"が決まっているかどうかである

 今朝、市場から群馬県に帰るトラックの荷台を見たら、一般社団法人 日本花き卸売市場協会に入会していない荷受団体行きの荷があった。輸入商社の荷が一つと、主に市場外流通をしている菊会社の荷が、市場なのか仲卸なのか分からないが、聞いたことのない3カ所に出荷していた。支払いはきちんと行われているのだろうか。流通が多岐にわたる現在問題となるのは、取引の公明性と支払いの問題である。

 産地は大体、出荷する卸売市場を絞ろうとする。花では直接過ぎて云いづらいので、青果市場を例に取ろう。青果市場では農協を経由しない、いわゆる系統外出荷をする産地も増えているが、需要量に比べて国産の供給量が少ない事実がある。よって、農協の系統品も会社組織の所も出荷先を絞り、安定したサプライチェーンを構築しようとする。また、生鮮食料品花きは、供給も消費も季節とお天気によって量がかわるので、安定した取り組みなしでは全ての業者がやっていけない。こういった中で、北の青果市場では、荷揃えの為に、産地から高く買い安く仲卸や量販店に卸す金額が、直近期2億5千万円にも上ったらしい。都内のとある大手会社では、直接荷を貰えないので交通の便の良い他市場に荷を取りに行く。その横持運賃代は5千万円にもなり、経営を圧迫していると。青果の場合には、買い手が代払い組合を作っている。取引が発生した毎3日ごとに卸に支払い、卸も産地へ送金する。従って、産地は卸が倒産でもしない限り、焦げ付きはほとんどない。

 しかし、花の場合、系統農協に対しては、月3回、ないし、月2回、卸から産地へ支払っているが、それ以外の生産者に対しては、その市場と出荷者との取り決めとなる。地域によっても異なるが、35日から50日となっている。こうなると、もし自分の荷物を預けた会社の経営が悪くなると、青果と違って未収代金が膨らむ。出荷者のどれくらいが、出荷先の経営状態を知っているだろうか。しっかり契約書を交わしているだろうか。甚だ疑問である。

 卸売市場は社会に役立とうとしているので、宗教と同様に"してはならないこと"を決めている。産地から委託された花を販売した時、9.5%ないし10%と、事前に各卸売会社が申請し承認された販売手数料のみを頂く。また、取引をした後、決められた買参人の保管所に荷をおく。ここまでを買参人に対する基準内サービスとして、代金を頂かない。これ以上のサービスは、各社と買参人の取り決めにより有料となる。買い上げ代金の支払い、卸から産地への支払いは、都内の中央卸売市場の場合、月3回、地方市場は任意だが、月3回、ないし、月2回となっているのが一般的のようである。これが原則で守らなければならないことである。

 市や県が認可している卸売市場は、してはならないことを決めてあるが、宗教を信じているものと同様に、戒律を破るものがいるかもしれない。その時には破門されるのである。出荷者の皆様方は、そこをよく考えて出荷先を選んでもらいたい。

投稿者 磯村信夫 : 2015年5月18日 11:42

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