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2015年9月14日

各自、組織体としての経営理念を持って「組む」

 先週、第37週の集中豪雨で、北関東・東北の花の産地は少なからず被害を受けた。量的には心配していなかった今期のお彼岸だが、これで一気に荷が不足することとなった。また、ニュースでは栃木県の苺「とちおとめ」の苗に被害が出た為、クリスマスの苺が心配されていると報道していた。品目により、花も同様の心配がある。それにしても、地球温暖化による従来の常識では測れない天候異変の中で、どのように花き生産者を勇気づけたら良いか、また、農業を辞める人もいる中、生産を維持してもらうだけではなく、頑張って生産規模を拡大してもらうにはどうすれば良いのか。思わず悩んでしまう先週の天候であった。

 悩んでいても仕方がない。解決策の一つ目として、取引ではなく「取り組む」ことが挙げられる。国産であれば、国内生産者、卸売市場(卸・仲卸)、小売業者のサプライチェーン、また、輸入品であれば、海外生産者、輸入商社、卸売市場、小売業者のサプライチェーン。これら全体を考え、消費者に向け、特定のサプライチェーンごとに種類、質、量、納期を定め、役割上のリスクと難易度に応じた価格設定、取り分を決める。一緒に取り組んで、花き業界を、花き流通業界をどのように発展させていくか。消費者にサービスを提供していけるか。「取引先」ではなく「取組先」として捉えて、一緒に花き業界を盛り上げて、生産流通をしていくことが必要である。

 二つ目に、「取り組む」相手を見極めることだ。気が合う者同士で仕事を組めれば良いが、中にはぴったりと気が合うとは言えない時もある。その時でも、組む相手は目指すものが同じ人が良い。農協も市場も、かつての商店街、日本中にある"何とか銀座"のように、一つの組織体が自分自身で考えた経営理念、それに基づく経営目標を持っているとは言い難い。何かみな似たような会社で、また、実現すべき目指す姿を持ってこなかった。合併と言っても、積極的にチームを組む、或いは、理念は同じだが、機能を補完し合うというような合併が進んでこなかった。私立の組織なら合併できたが、自分たちはあたかも国公立の組織体のように、何も考えず、目指さず、漫然と毎日同じように仕事をしてきた感がある。これでは、人口減少社会の中にあって、心底がっちり組むのは難しい。系統組織にしても、卸売市場にしても、はっきりと自社の理念を打ち出し、仕事をする。そして、合併やサプライチェーン上取り組む相手をきちんと探すことが必要である。

投稿者 磯村信夫 : 2015年9月14日 14:55

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