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2015年10月 5日

花市場は売上でなく利益重視で臨むこと

 3日の土曜日、近所の小学校で秋の運動会が開催されていた。入賞者にはどんな花がプレゼントされているのだろうかと覗いてみたが、運動会だから入賞者に花が渡される筈がない。オリンピックの花・ビクトリーブーケに気持ちが行っているものだから、ついつい花の事を思い浮かべてしまう。オリンピックの花については現在、検討会を開いている。夏の暑い時期でも、日本らしい花、東北の2011年3月11日の復興を物語る花を使って、ビクトリーブーケが出来ないものか検討中だ。

 上半期が終わり、いよいよ下半期。今年度も残りあと半年となった。上半期の大きな特徴として、全国の市場の相場が揃ってきたことが挙げられる。因果律は需要よりも供給が少なくなって、産地は大手市場に荷を絞り込み、中小市場はそこから品揃えの為に荷を買って再販する。そういう流れが明確になってきたからだ。菊類等の仏事の物日に必要な花の産地は、二十世紀型の出荷体系で、全国津々浦々の卸売市場にも出荷をしてくれている。しかし、最近では出荷会議で何十社も集まるようなそれらの大産地でも、市場を絞り込む動きが明確になってきている。大産地も荷が少なくなって、配荷作業コストと価格リスクの問題から、産地は「欲しいのなら注文で。価格はこれこれです」となって、卸は値決め見込み発注をしなければならなくなって来た。また前回見込み発注したが上手く売れず損したので、だったら直接産地にオーダーするとイイトコドリできないから、中核卸から仲卸と同じように必要なものだけ取って販売しようと言うことになった。このように花の卸売会社は、買取り販売をせざるを得なくなって来ている。

 2010年以降、供給が過少になったが需要が振るわず、利幅が少なくなり、仲卸や問屋などの営業悪化が目立った。2013年以降、輸入品まで含めさらに供給が少なくなってくると、卸売会社の営業悪化も目立ってきた。青果市場の場合、経営の仕方によって大手でも営業赤字の市場が続出しているが、その手前まで日本の花市場も来ているのである。花き卸売市場が、青果市場の後を確実に追っていることが明白になった2015年、上半期であった。

投稿者 磯村信夫 : 2015年10月 5日 16:02

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