大田花き 大田花きコーポレートサイトへ
 

« 花き産業でも関係の深い中国と韓国ですが、、 | トップ | 協同組合精神の大切さ »

2015年10月19日

消費拡大活動の事例

 10月はいけばなの展示会がデパートであったり、花の見本市やフラワーショー、ガーデニングショーが中下旬にあったり、月末はハロウィンとイベントが目白押しである。東京で盛り上がっているハロウィンは月初めにカボチャの飾り付けをし、月の半ば頃から小さなカボチャを器にしてアレンジした花が店頭に飾られる。昨年、花き振興法が成立し、現在約3,700億円の卸ベースでの花きの取扱いを、5年後の2020年、東京オリンピックの時には5,000億円に増やそうと目標を立てた。国の予算もついて、いよいよどうすれば掛け声倒れにならないか、少しずつプランを立てて実行に移している。

 先週末、小生が参加している花育活動の「ワンコインクラブ」が、平成27年度太田市青少年健全育成功労者に表彰されたので、群馬県太田市で開催された表彰式に参加してきた。花育は日本中で行われるようになって、商売の面からで恐縮だが、将来のお客様を育成しつつある。「ワンコインクラブ」は国の支援とは別の花育で、有志が毎月500円を拠出して集めたお金を使って小学校で花の教室を開いている。また、群馬県太田市は海外からの移住者が多く、クラスに何人かは外国の生徒がいる。「ワンコインクラブ」は、基本路線として外国人の生徒さんがいる小学校で花育をしている。子供たちに花の水揚げの仕方や飾り方を教え、花きを通じて感受性豊かにのびのび育ってもらう。優しい気持ちになるだけでなく、花が枯れていく姿を見て、生き物の尊さ学んでいく。「多様性を認め合う明るい未来の創出」を目的としている会だ。

 さて、18日の日曜日、花キューピット神奈川支部協賛の「かながわ花フェスタ21"フラワーデザインコンテスト クイーンズカップ"」がみなとみらいのクイーンズスクエアで開催された。横浜はご存じのとおり、独自の文化が根付いている。赤レンガのようにノスタルジックなものや、国際的に開かれ洗練された文化。また、港町の野毛地域に象徴されるような、デカダンス的な美しさが価値観の街。入江一つ一つで習慣が異なる漁師町の文化。もちろん、鎌倉等いくつもの街が神奈川県にはあるが、いずれも東京とは違ったものだ。それを体現したものが神奈川の花屋さんである。クイーンズカップの今年のチャンピオンは、神奈川のお花屋さんの作品で、何が神奈川的な、横浜的なものかは分からないが、アウトドアウェアのパタゴニアが神奈川に日本支社をおくように、ちょうど湘南がワークライフバランスのとれた人々の生活のシンボルであるように。そういったイメージに相応しい、素直に楽しく、美しい喜びを伝える作品であった。花キューピットの会員の方も、日本フラワーデザイナー協会の会員の方も、なにか住宅続きで、どこまでが東京でどこまでが神奈川か分からないし、職場と住居が神奈川・東京と交錯している人も多いに違いないが、しかし、つっぱった中にも人心地がついていて、そんなに構えない、地に足がついたゆとりがある。こんな神奈川の文化を反映させる作品が多かった。このコンテストは、多数の方に見て頂き、2020年の目標5,000億円に向けて、専門店がなすべき方向性、そして、その役割を語ってくれていたと思う。

 表彰式に参加して、大変すばらしい時間を過ごさせてもらったと思って帰宅の途に就いた。生産者も、自分の作った花を上手に使ってくれて本望であったろう。

投稿者 磯村信夫 : 2015年10月19日 14:47

Copyright(C) Ota Floriculture Auction Co.,Ltd.