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2015年12月 7日

アスリートを育てるつもりで人を育てる

 日本では、売れない時代になって四半世紀が過ぎ、おとなしくて言うことを聞く子どもたちを育てる教育からの改革が行われつつある。今、日本社会ではそのようにして育てられてきた人たちが、第一線で仕事をするようになっている。ICTを使いこなすことに利点があるものの、現時点では未だ、個人の消費生活が中心で使われており、各業界の社業において今一つ合理化が進んでいない。

 教育の問題は、国から個人に至るまでの成功に結び付く。成功とは物心両面のことである。組織と個人との関係でいえば、そこで働く人たちが尊敬され、生活者として心技体、モノとコトに「足るを知る」ことをいう。

 売れなくなっている時代だから、同じことをやっていても毎年売上は落ちる。だから、社内から経営者を登用するにしても、改革者であることが必要だ。社長の息子に能力があればそれにあたる。息子を社長にさせない代わりに娘の亭主という場合もある。あるいは、金融業界や商社からヘッドハンティングするという手もあるだろう。私が良く知っている、加工食品業界でポテト製品を作るある会社は、創業者の後を継いで優秀な人材を社長として迎え入れた。外から最適な人物を選んでトップに据えたその会社は今、大躍進している。その会社を大躍進させた人は、人材の宝庫として有名なアメリカのトイレタリー、化粧品会社の出身だ。

 花き業界においては、輸送業界の人手不足が深刻になったことから始まり、生産、卸、小売りまで人材が少なくなってきている。どこの組織でも、優秀な人が育つには一つの法則がある。アスリートのように、歳ではなく、能力がある人に高いノルマを負わせることによって、その人が人材化していくのだ。こういう教育をしながら人材を育成していくことが、生鮮食料品花き業界にも必要なのだ。そのことが、花き業界の発展の決め手になるし、どの業界でも、日本の潜在能力の顕在化につながるということだ。

 アスリートの意識。これを、日本人は忘れてはならない。文武両道は真実なのだ。はがゆい日本の花き業界はもう沢山だ。

投稿者 磯村信夫 : 2015年12月 7日 16:33

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