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2016年2月15日

フラワーバレンタイン

 2月も半ばのこの時期、荒れた天気であることが多いようだ。母が他界する前、僕が生まれた時のことを話していたのを思い出す。自宅から歩いて10分足らずの場所にある病院に、母は雪の中を歩いて行って僕が生まれたという。2月16日のことだ。父も駆けつけ泣いて喜んでくれたと、身辺整理をしていて「へその緒」が出てきた時に、僕に渡しながら母はそう言っていた。そういえば、2年前の大雪も、今年の春一番も大荒れの天気だった。この時期はこういうこともあると思いながら、フラワーバレンタインを迎えた方がよい。

 立春後、花のイベントが続々と開催されている。東京ビックサイトでは(一社)JFTD主催『フラワードリーム2016』が、東京ドームでの『テーブルウェアフェスティバル』の後、『世界らん展日本大賞2016』が開催中だ。また、先日は横浜美術館で(一社)アジア花の文化協会のシンポジウムが開かれた。さらに、銀座松屋では『いけばな古流協会展』が、池袋サンシャインシティでは『第65回関東東海花の展覧会』が開催されている。2月はそれらの東京近辺のイベントを回っていた。そんな中、昨日は小学校の同窓会に参加した。先生の体調が芳しくない為、先生のお住まいの近くである茅ケ崎で開催された同窓会に、17名もの同窓生が集まった。アングロサクソンの国から始まり、今はヨーロッパ中というより、日本とイスラム圏、アフリカを除いて殆どの国で、本命の女性に男性が花をプレゼントする日になっている、という事を知らない団塊の世代の人達であった為、2月14日、こんな大切な日にクラス会が開かれたわけだ。集まった中で女性が一人、フラワーバレンタインを知っている人がいたが、彼女は海外との繋がりが深い会社に勤めていたことのある人たちだった。

 クラス会の後、フラワーバレンタインの店の売れ具合を見に行った。時間の関係から、駅ナカ・駅周辺の専門店しか見ることが出来なかったが、しっかり売れていた様子だった。その帰宅途中、家内にフラワーバレンタインの花を買った。そのお店では、私の前に4人の男性が並んで会計やラッピングを待っていた。(一社)花の国日本協議会とタイアップしているJ-WAVEや、新聞にも取り上げられたし、男性ファッション誌でも紹介されていたのを見ているのか、あるいは、海外滞在の経験がありフラワーバレンタインを知っているのか。日曜日なので、カジュアルな服装だった為、どのような仕事をしているのか分からないが、そういった青年から中年位の方々が並んでいた。

 フラワーバレンタインは着実に成果を上げ、花をプレゼントすること、花を持って帰ることがカッコイイという印象を生活者に与えることに成功しつつある。これをもっと普及させると共に、価格的にも、しょっちゅうプレゼントをしても負担にならない金額にしていかなければならない。どうすれば、生産者と一緒に再生産価格の問題を解決出来るだろうか。花の消費拡大イベントが沢山行われている中で、供給体制を強化しなければならないと感じた次第である。

 追記:今朝、スーパーに納品している大手花束加工業者の人たちと立ち話をしていたが、「うちはフラワーバレンタインは全然関係なかった」と彼らは言っていた。

投稿者 磯村信夫 : 2016年2月15日 15:34

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