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2016年3月 7日

ネットの価格

 5日の土曜日、昼の部のコンサートへ行った後、家内と食事をしようと、家内が好きなホテルのレストラン部門が出店している銀座の鉄板焼きに食事に行った。コンサートが終わった後に電話をしたら、空きがあるとのことで店に向かった訳だが、店内には先に中年の女性客が、我々が来た後に中年カップルや若い人達が来て、店はほぼ満席となった。ふと気が付くと、我々だけがアラカルトを頼んでおり、他の人達はコースを頼んでいた。家内いわく、グルメ紹介のネットを通じて予約しているから、ドリンクがサービスになったり、コース料理でお得に楽しめるのだという。私たちももう少し時間があれば、予めネット予約をしたのだけれど、と言っていた。支払を済ませながら、僕は何やら不公平な感じがしてならなかった。カウンターで料理人と話していて、家内が何回もそのホテルへ宿泊していることや、これからも行くだろう上得意の客であることは店側も分かっているだろう。一方、ネット予約の客は、昔で言えば"一見さん"かもしれない。もちろん、上客の場合もあるだろう。しかし、直接予約した贔屓の客の方が、何割も高いお金を払っているのは何かおかしい。唯一納得出来るとすれば、若い人たちにお店を知ってもらい、今後の固定客となってもらうための割引だろうか。2015年、ネットで買い物をする世帯が全体の30%弱になったと総務省が報じているが、ネットからの受注を安くするというのは、何かフェアではないように思う。ネット業者に仲介手数料を払っているのは、知ってもらい店の効率を上げるためだというだろうが、店を使う顧客の視点に立つと、甚だ面白くないことが多くなっているネット社会だ。ネット社会の今日、あらゆる業界でサービスと価格設定をもう一度考え直すべきで、サービスの安定まで含めると、航空会社に学ぶべきところは多い。
 
 総務省は同様に、2015年10~12月の労働力調査を発表した。それによると、結婚している25~64歳の全夫婦のうち、半数が共働きであるという。年代別にみると、妻が25~34歳までの世帯の60.6%、35~44歳が68.8%、45~54歳が73.8%、そして、55~64歳が50.3%の割合で共働きとなっている。お子さんが小さいうちは、4割弱の人達が育児に専念している。お子さんが小さいうちに、居間やテーブルの上、お手洗いやちょっとした出窓等に切花や鉢物があると、子どもが豊かに育つというのは、大脳生理学、精神医学でも証明されている。しかし、子どもが預けられるようになるまで、女性はなかなか働きたくても働けない現状もある。夫婦とも稼ぎがこれだけ多くなると、やはり週末に花を買ってもらうことが重要になるだろう。さらに、今後ますます女性が働くようになってくると、オフィスに観葉植物や、ちょっとした切花等を取り入れることで、職場の精神衛生だけでなく、そのお母さんの心のゆとりにも繋がっていくはずだ。もちろん、男性まで含め仕事の生産性を上げることも出来ると、大脳生理学・精神医学者は言っている。

 各家庭はさらに忙しくなっている。必要不可欠な家族の団欒、趣味の時間も必要だ。こういう中で、花を、うるおいのある生活をするための小道具として使ってもらうには、週末にかざる花(ウィークエンドフラワー)や、オフィスの花(フラワービズ)、そして、受け取り方をきちんと考えたネット販売。これらのプロモーションが必要だろう。花のネット販売では、お試し価格として、年代層によって値段を割り引いても良いと思われる。

投稿者 磯村信夫 : 2016年3月 7日 16:02

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