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2016年4月 4日

新年度でお伝えしたい二つのこと

 新年度に入り、昨年度とは違う状況になっていることを二つお伝えしたい。一つは、一輪菊の中でもピンポン菊やアナスターシア、あるいは、畑で咲かせた一輪菊、通称"ブルームマム"が一定のポジションをとり需要が高まってきたことだ。ダリアや大輪のカーネーションとも良く合うこれらを、既に世界標準となっている「ディスバット菊」として統計処理することとなった。特に、若い人たちの需要が期待できると思われる。

 そしてもう一つ、切花の生産が増えず、一年を通じて平均単価が高くなっている。そんな中で、仏花を中心とした花束加工業者の人に素材の組み合わせの提案をしたい。同じ花束でも、専門店が販売する花束は短めのものが多く、上から見て「何て綺麗なんだろう」と、思わず手にとりたくなるブーケが多い。一方、仏花は、関西仏花を除いて、一定の丈の長さがある花束を、消費者は「何本入っているのか」と根元をチェックして、本数で買っている。このタイプの花束は、高値が続くと採算が悪化してしまう。天候によっては、今年も高値が続くかもしれない。それでは商売にならないので、もう一度スプレータイプの花を中心に、あるいは、枝をかいて、それを1本と見立ててでも花束を作って販売してほしい。手本は専門店のお花屋さんが作る花束である。上から見た美しさで販売するには、本数よりもボリューム重視だ。昨年の11月から今年の1月まで、花の単価は安かった。そういった時には、量を多く一束に入れられる。しかし、高値になった時は、束をキツく集めず、ふんわりと結束してボリューム感を出していく。こうしながら、消費者の期待を裏切らないようにしてもらいたい。

PS;
 毎週火土は朝の4時過ぎに家を出て、40分程かけて歩いて通勤しようと思っている。このごろ夜が明けるのも早くなったためか、今月は今日で2回、「源ちゃん」が目を覚ましていて、無言だがお互い会釈の挨拶をした。

 どんなつらいことがあったんだろうか。僕が知っている限り、源ちゃんは火曜日と土曜日には僕の通勤路の環七脇の道を寝場所にしている。他の曜日は会ったことがないから、きっと違うところに寝に行っているんだろう。今の車は5年目で、ホンダライフのちっちゃなやつだ。僕と知り合いになってからもう15年以上。源チャンの車は3台目、いずれも古い中古車で、しかもだんだん小さくなって来た。

 源ちゃんはこんな小さな軽の車の中で、身体を伸ばせないのにエコノミック症候群にならずに寝ている。僕は勝手に思っている。すごくつらいことがあったから、ここでも寝れるんだ。

 今朝も源ちゃんは寝起きでまだぼーとしていたが、僕が会釈すると会釈をし返した。何でか分からないが、何か人生っていいなあとお互い思って一日が始まった。僕の勝手な想像じゃない。僕たちは、お互い代わり映えしないけど「今日もよい一日が始まるね」と挨拶したんだ。
    

投稿者 磯村信夫 : 2016年4月 4日 10:56

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