支払いのシステムを確実に


花き産業を確立するためには、支払いを確実化しなければならない。
最も川上にある種苗会社が、農家に売った代金をとれないという事故が多くなってきた。
品目的にはカーネーションやユリ、特にオリエンタルハイブリッドに多いらしい。
生産して市場から代金をもらい、払うつもりだと当事者の生産者は言うそうだ。
なんと現代の日本社会では考えられないような出来事だ。
一方、荷受会社が小売店に支払い代金を督促すると、「家を建て替えた。」とか、
「車を買った。」とか、はたまた「子供の結婚式」だとか、
これも現代の日本では考えられない公私混同である。
小売店と顧客との間でも、電話注文で届けてくれと言っておいて、
依頼主から金がとれなかったり、納品先の飲み屋がつぶれたり、
芸能プロダクションが支払を渋ったり。これも現代社会では考えられない。
小売店の甘さが露見している。こういう生産者が多く見積もって5%位。
小売店は少なく見積もって10%位いる。
商売は金儲けのことだから、品物が動いて金が循環しなければ、
商取引が成り立たないだけでなく、業界全体の発展も望めない。
今、花き業界は普通の業界に育つため、支払いのルールの確立が急務となっている。



1996/10/07 磯村信夫