オランダアルスメール・フラワーショー


11月初旬にアルスメール市場で開催されるフラワーショーは、花を生産・消費する50ヶ国以上から人々が集まる。
球根類では、5月にオランダのキューケンホーフで行われる展示会の方が優れているし、幅広く園芸という分野で見れば、イギリスのチェルシーフラワーショーが優っている。
しかし、実際の商売となるとやはりアルスメールだ。大田花きからも、今年セリ人試験に受かった人10名と、花のトレンドや流通について再度勉強しなおす社員達が展示会に参加することになっている。
ロシアやらウクライナ、そして旧東ヨーロッパの花の輸出が増えてきたので、今までのような北欧好みの品種群とは少し違っているらしい。
それから、今世界の花き業界で成長し続けているガーデンプランツも、新品種が多数展示されるという。
アルスメールのフェアの前にセミナーが行われ、日本を代表して大阪府大の今西先生が講演される。花の、特に切り花、鉢物はオーバープロダクションなのか、それともアンダーマーケティングなのかが今年の課題である。私見を言えば、アンダーマーケティングであると考えている。
特に業界内では、小売店のマーケティング活動が充分ではないと指摘されており、(どこの国でも日本の生活観で言えば年商2千〜3千万円くらいが花屋さんの取扱金額だ。)ここをどうするかというのがポイントなのであろう。
1985年から注目を集め、躍進してきた花き産業は、今成長のためのマーケティングの実行と個々の企業体のマネージメント能力の強化が当面の課題となっている。


1996/10/28 磯村信夫