物流の大切さ


事故や事件が起きた時、マイナスに過剰反応することをエキセントリックといい、プラスに過剰反応することをハイプという。
このところコンピューターネットワーク化が進み、ビジネスチャンスが果てしなく広がる可能性があると考えている人が多いだろうが、問題は物流である。
11/10の日曜日、物流を考えながら平和島のトラックターミナルを時間をかけて見学した。
宅配をしている日通やヤマトを見て5年前と変わった点といえば、大田花きで使っているコンビテーナーより二まわり小さい台車を使っているくらいで、相変わらずプラットホーム上は手押し台車あるいは直置きであった。
小配達が増えているせいか、2t車が多かった。物流各社の四季報を見ると、ヤマトは最高利益を更新しており、優秀なドライバーはまさにセールスドライバーとして業界の手本になっている。
卸売市場はトラック会社と同様何等物流上の工夫が行われていなかった。
取引は予約相対やら、先取やら、セリの機械化やら近年新しい取り組みがなされ実を結んでいるが、食品卸を代表する他業界の物流センターと比べると、なんと時代遅れなことか。中央卸売市場においては、結局農水省や開設者の理解が得られなかったことが原因であろうが、それにも増して卸の自助努力がされなかったことがこの距離(他業界の卸との物流効率化の差)になっているのだろう。
産地は集出荷所を作り、省力化へ向けて物流機器を導入し、物と情報を一致させようとしている。その点、このままでは荷受会社の立ち後れが甚だしくなることが予測される。品揃え(ピッキング)をどのように合理的にして行くかが今後の流通量と価格を決定することになるであろう。花き業界においては、九州日観殿や豊明殿の物流システムが手本といえる。


1996/11/11 磯村信夫