勃興する花の産地


各地の花き部会総会にこの2月お邪魔する機会が多数あった。
普段の年であれば担当のティームリーダーか役員がお邪魔するのだが、本年に限っては昨年の8、9月の単価安で生産意欲がぐらついている産地が多いと考え、小生が参加し、お話をさせていただいた。
食べ物は若年者の数が減っているので食料品需要の絶対量は上がらないことが判るが、農産物の中で花や緑は消費の具体性から言えば判らないことが多く、食べ物に比べて不安な要素があると感じているのだが、結局今後の農産物生産では花や緑しかないことを生産者もわかっている。
各地で目につくのは、①行政並びに系統の職員の熱意の方が、生産者の意欲より優っている新興産地と、②双方の熱意が同じレベルで躍進を遂げている地域、③行政は既に後へひき、商売をしている生産者、系統機関が前面に出ているところ、その3つに分けられるが、東北でいえば山形の庄内は2番目に当り、九州でいえば大分と鹿児島がこれに当たる。歴史ある産地だが、この2番目に相当するところは岡山で、それぞれ期待されるところである。県がエネルギーを投入しているのは、今世紀中であれば農業関係の予算が十分ではないもののどうにか投入出来るという風に考えているからである。
現在まだ生産者は真剣になっていないが、行政が主導している産地を見るにつけ、遅くとも来年からは生産者と系統行政が一体化して躍進の基礎を作っていく必要があると感じている。
フラワーセンターが日本の各所にできている昨今、行政マンは本格的に生産現場に入り、基盤作りを急いで欲しいと願っている。


1997/02/24 磯村信夫