御多分にもれず花き業界も淘汰の時代


川上も川下も競争が激化し、淘汰の波が襲っている。もちろん川中の荷受、仲卸、あるいは花束加工業者も同様である。
小売店からの資金回収状況を見ていると、5%程の人達が経営が悪くなっている。川上では規模拡大のための設備投資をしたり、球根切花、鉢物の生産をしている人達に経営悪化の兆しがある。花き業界全般において全ての人達が順調だった時代が終わり、見通しや対処の仕方を誤った人達が経営危機に陥っているのは、この業界もここまでの規模に成長したのだから当然と見るべきか、それとも由々しきことと見るべきか意見が分かれる。
絶対者を信ずるキリスト教徒、モスレム、ユダヤ教徒は、その存在を信ずるが故に万人は平等であり、逆説的に優劣もつくと割り切れるが、我々日本人は相対的な社会に住んでいるから、どうも具合が悪くなった人を見捨ててはおけない。その人達にどうにか立ち直ってもらうための努力を惜しまないようにしようということは「アマちゃん」の議論であろうか。苗物が売れて好調だが、設備投資過剰になり、経営危機に陥っている農場もある。これをそのまま潰すか、建て直しが図れるか、今花き業界は決断しなければならないところに来ている。


1997/08/11 磯村信夫